新しいSCALEXIO EMHソリューションには、総合的なI/Oライブラリを備え、すぐに使用できるFPGAアプリケーションが搭載されているため、プロセッサベースでのモーターのHILシミュレーションが可能です。このソリューションでは、1つのDS2655 FPGA Base Board上にある最大2つのモーターのシミュレーション設定をConfigurationDesk内から行えます。ここでは、あらかじめ設定されたファンクションブロックを使用するため、FPGAコードのプログラミングや生成は不要です。このソリューションには、高速なI/O処理が可能なDS2655M1 Multi-I/O Moduleや8 nsの分解能を持つ回転角度処理ユニット(APU)が搭載されているため、パルス幅変調(PWM)や位置センサシミュレーション(PSS)関連のアプリケーションを高分解能I/Oを用いて計測することができます。また、可変I/Oチャンネルのマッピングや、最大5つのDS2655M1 Multi-I/O Moduleをサポートしているため、ハードウェアの可能性を柔軟かつ最大限に引き出すことができます。
さらに、シミュレーションをプロセッサベースからFPGAベースに切り替える際にハードウェアを交換する必要がないため、既存のハードウェアシステムをそのまま使用し続けることができます。
Electric Driveの制御が、多くのエンジニアリングアプリケーションのキーテクノロジとなっています。多くのアプリケーションに対応するには、高度の柔軟性が必要であり、特に産業オートメーションにおけるサーボコントローラの場合は高度の柔軟性が不可欠です。サーボコントローラ用のソフトウェアは、可能なすべて構成オプションだけでなく、多数のバリアントが存在するため、テストには大量の作業負荷を伴います。必要な制御対象システムや実際の部品をシミュレーションモデルによって置き換えれば、テストシナリオのセットアップおよび変更をすばやく行えます。これらのテストは、HILシミュレータによるテストの自動化により極めて短時間で行うことができます。
また、システムの一部が再生可能なユニットである場合、サーボコントローラのほかに、エネルギーマネージメントシステムをテストすることもできます。このために、dSPACEでは送電網のシミュレーションに対応したシミュレーションモデルを提供しています。
ASM Electric Components Libraryは、プロセッサベースのリアルタイムHILシミュレーションでの使用に最適化されています。適用分野には、機械ドライブやポジショニングモーター向けのサーボモーター、産業オートメーション、および産業用コンバータなどがあります。
ASM Electric Components LibraryのClosed-Loop Electric Componentsサブライブラリには、モーター、コントローラ、パワーエレクトロニクスなどのコンポーネントが含まれています。これらのコンポーネントは、HILシステムでマシンコントローラの閉ループテストを行う際の制御対象システムを表現します。これらのモデルは、高速タイマータスクやハードウェア割込みタスクにおけるリアルタイムシミュレーションをサポートしています。これらのタスクは、サンプリング時間が極めて短い(50 µsなど)PWM同期モデル計算などで必要になります。
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