電気自動車用バッテリマネージメントシステムの開発とテスト
電気自動車を完成に向けて飛躍的に進歩させるには、最高水準の安全要件に対応しながら長距離走行と急速充電が可能な強力かつ革新的なバッテリが不可欠となります。これは、電気自動車だけでなく、電動飛行機、電車、電動オフハイウェイ車両にも当てはまります。
バッテリが何千回もの充電サイクルにわたって安全かつ効率的に動作し、持続力を長期間維持できるようにするには、すべてのバッテリ式電気自動車(BEV)にバッテリマネージメントシステム(BMS)を搭載する必要があります。当社では、世界中のメーカーに対し、BMSを開発およびテストするための各種ソリューションと総合的なサポートを提供しています。
据置型バッテリシステム向けBMS
据置型バッテリ貯蔵システムは、再生可能エネルギーへの移行が進む中、特に一般家庭でますます重要になっています。携帯型バッテリシステムと同様に、これらのシステムには個々のバッテリセルの安全性を保証し、信頼性に優れた持続的な動作を可能にするためのBMSの実装が必要です。当社では、これらのシステムを開発およびテストするお客様に十分なサポートを提供しています。

課題
BMSでは、次のようなさまざまな処理を行わなければなりません。
- 電圧、温度、および全体的な電流の計測
- 温度管理
- 個々のセルの充電レベルのバランス調整
- 安全ルーチンの稼働
- バッテリの充電状態(SOC)および動作状態(SOH)の計算
BEVのバッテリマネージメントシステムでは、車両のバッテリを一種の移動式貯蔵システムとして利用することでパワーグリッドの安定化を図る双方向エネルギー伝送などが今後の課題となっており、これはV2G(vehicle-to-grid)システムというコンセプトとして知られています。
dSPACEのバッテリマネージメントシステム向けソリューション
バッテリマネージメントシステム(BMS)や関連するテクノロジを開発中ですか。当社では、量産段階前のBMSの品質と完成度を高めながら開発プロセスを効率化するのに適切なツールを提供しています。当社の各種ソフトウェアおよびハードウェア製品は、完全なBMSから、セルレベルで電圧のモニタリングやバランス調整を行う個々のセル監視回路(CSC)に至るまで、テスト対象デバイスに応じた信号レベルや高電圧レベルでテストを行えるようになっています。また、当社の総合的なソリューションポートフォリオは開発プロセスの早期の段階もサポートしているため、お客様はBMS機能のプロトタイピングや極めて効率的なBMS向け量産コードの生成などを通じてBMSアルゴリズムの早期検証を実現することができます。詳しくはお問い合わせください。

すべての開発段階をサポート
自動運転の分野において、これまで以上にセーフティクリティカルな機能を備えた複雑なE/Eシステムやソフトウェアを開発する場合の課題は、機能の信頼性をどのようにして保証するかということです。そのためdSPACEでは、機能安全、テストストラテジの開発、および複雑なE/Eプロセスの検証と妥当性確認のためのエンドトゥエンドのソリューションを提供し、プロジェクトの初期段階から認証までをサポートしています。
dSPACEシステムは容易に稼働させることができます。しかし、プロジェクトが複雑な場合、個別のソリューションを必要とする場合、または十分な時間がない場合には、dSPACEの迅速で信頼性の高い優れたエンジニアリングサービスを利用することもできます。