バッテリマネージメントシステム: 高精度な妥当性確認や最適化が可能な新たなdSPACEソリューション

ミュンヘン/パーダーボルン、2022年3月17日: dSPACEは、バッテリマネージメントシステム(BMS)をテストするための新しいモジュール型システムデザインを発表しました。この新たなソリューションを使用すると最大1,500Vまでの電圧のBMSのテストが可能で、これにより現在使用されている各種のバッテリシステムのほとんどをカバーします。このシステムでは、革新的な中核コンポーネントとして高精度なセル電圧エミュレーションボードが使用されています。新しい強力なBMSソリューションには、さまざまなテストで実績のあるSCALEXIOテクノロジがシームレスに統合されているため、お客様ごとの要件に適合するようシステムを設定できます。また、シミュレーションソフトウェアであるASM Electric Componentsと組み合わせれば、すぐに活用できる総合的なバッテリモデルのライブラリが提供されます。このソリューションの適用分野は、電動化モビリティ向けのバッテリシステムの開発や妥当性確認から近年のパワーグリッド向けのエネルギー貯蔵システムに至るまで、多岐にわたります。

余力の効率的な管理や最適な温度の確保、過充電および重放電の回避を可能にするBMSは、リチウムイオンバッテリの円滑な動作に不可欠であり、これによりエネルギー貯蔵システムの安全な動作や長寿命化が実現します。性能要件がますます厳しくなり、より高い電圧のバッテリシステムが求められる電動化モビリティ分野やその他のさまざまな工業分野において、高性能なエネルギー貯蔵システムの重要性は増しています。

当社のモジュール型システムデザインは、これらの要件やそれ以上の要件にも適合するよう特別に設計されてきており、最大1,500 Vのバッテリシステムの妥当性を確認することができます。また、低遅延かつリアルタイム対応のセル電圧エミュレーションをIOCNET経由でSCALEXIOシステムに統合すれば、セルの数やバッテリのサイズに関わらず、個別にエミュレートされたセル電圧をすばやくアップデートできるようになります。さらに、FPGAアプリケーションを統合すると、テスト対象のBMSとのよりすばやい相互作用が実現します。これにより、オンライン電気化学的インピーダンス分光法といった最先端のテクノロジを高精度でエミュレートするなどの新たな道が開かれます。

新しいセル電圧エミュレーションボードは、最小300 µV単位の高精度でセル電圧生成できるだけでなく、チャンネルごとに最大20 Aのピーク電流と高精度な電流計測に対応しており、高度なセルバランシングシナリオのエミュレーションも行えます。また、欠陥シミュレーションを統合すれば、短絡やケーブルの断線、バッテリセルの故障といった電気的欠陥をシミュレートできます。dSPACEでは引き続き、温度や高電圧をエミュレートできるエミュレーションボードを追加して、BMSのテスト向けのモジュール型システムデザインを補完する予定です。

モジュール型設計により、システムの拡張性や柔軟性が向上します。新しいセーフティコンパートメントを使用すると、セルチャンネルの配線が簡単に行え、テストシステムへの配線の長さを減らすことができ、各セルの適合が容易になります。

dSPACEのElectromobility andElectric Drive部門のプロダクトマネージャであるStefan Walterは、「当社は、新しいセル電圧エミュレーションボードとスケーラブルなシステム設計を備えたBMSのテスト向けの強力なソリューションにより、最も厳しいテスト要件にも対応できる高い電圧レベルを提供します。これにより、お客様はBMSを効果的に妥当性確認および最適化し、市場投入期間を短縮することができます」と述べています。

 

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