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dSPACE社の自動コード生成ツール「TargetLink」とBTC社の要求仕様検証ツールを採用し、新型「プリウス」から開発プロセスを刷新

トヨタ自動車は、2015年12月に発売した第4世代となる新型「プリウス」から、ハイブリッドシステムの制御ソフト開発プロセスを全面的に刷新した。2016年6月にドイツdSPACE社の日本法人dSPACE Japanが東京都内で開催した「Japan User Conference 2016」で同社HVシステム制御開発部部長の阿部眞一氏が講演し、新型「プリウス」の制御プロセスの改革を例にモデルベース開発(MBD)の活用事例を紹介した。

阿部氏はトヨタで長年HEVの開発に携わってきた人物。ユーザー会の講演では、1997年に発売した初代プリウスからの技術的な進化について説明した。新型「プリウス」は燃費を含む商品力のさらなる向上を目指すため、より高度な制御要求に応える必要があった。燃費は、JC08モード燃費を従来型の32.4km/Lから40.8km/Lへと改善(最も燃費の優れたグレード同士の比較)、と同時にドライバビリティの大幅向上。加えて、バッテリーがニッケル水素電池とリチウムイオン電池の2種類に増えたことや、広い室内空間を得るためにバッテリーの位置をトランク下ではなく後部座席の下に配置したこと、さらには、4輪駆動仕様車を設定するなど、制御に対する要求が多様になった。

トヨタ自動車が確立した品質を確保しつつ、より多くの機能の制御要求に対応するために、処理を集約する、モード選択の組み合わせ数を減らし、ソフトウェアの構造を簡略化するなど、制御ソフトウェアを全面的に刷新する必要があった。

制御ソフトウェアを支障なく再構築し、開発の上流で「新規の機能追加」を迅速に実行するために、トヨタ自動車は、「プリウス」第4世代の開発では、制御ソフトウェア開発プロセスの全工程にわたってモデルベース開発(MBD)を採用した。MBDの狙いは、新規制御機能の検査の自動化による開発スピードの向上や品質の確保。そのために選択したツールがドイツdSPACE社の自動コード生成ツール「TargetLink」とドイツBTC社の要求仕様検証ツール「EmbeddedTester」だった。これらツールの活用により、開発プロセスの効率化が図られた。また、従来の制御ソフトウェア開発では一部の開発をサプライヤーに委託していたが、新開発プロセスでは、すべて内製化することで、仕様設計から評価まで社内で一貫して開発できる体制を整えた。これらの制御ソフト開発プロセスの全面的な刷新は、当初の想定を大幅に超える工数の投入が必要であった。

2015年12月の発売以来、日本での好調な販売が伝えられているトヨタ自動車の新型「プリウス」は、2016年初頭から世界各国・各地域での販売を開始した。

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