TargetLinkの詳細

TargetLinkは単にSimulink向けのコードを生成するツールというだけではなく、生成されるコードをコントロールしたいと考えるプロのソフトウェア開発者向けに開発されています。TargetLinkによりソフトウェアが最適化されるため、開発者は大型のコントローラに拡張しなくても、モデルのパフォーマンスを最大限に引き出し、固有のマイクロコントローラ用にコードを最適化しつつ、多くの機能を盛り込むことができます。

Gainブロックの変数クラス仕様

高度な設定が可能なコード

TargetLinkコードは可読性が高く、役立つコメントを含んでいます。総合的な設定オプションにより、変数、関数、ファイル名命名などを完全にコントロールでき、構造を論理的かつ管理しやすくするためにコードに対して関数分割やファイル分割を行う柔軟性も備えています。

外部コードを統合できるように、TargetLinkはデバイスドライバ、その他Cまたはアセンブラで書かれた任意のルーチンとの容易なインターフェースを可能とするブロック線図レベルの幅広い指定オプションを備えています。XML設定ファイルやXSLスタイルシートを使用するなど、TargetLinkの柔軟なコード出力フォーマットにより、企業ごとに個別のプログラミングスタイルガイドを容易に適用することができます。

包括的なTargetLink API

TargetLinkには包括的で完全にドキュメント化されたアプリケーションプログラミングインターフェース(API)が付属しているので、既存の開発環境に簡単に組込むことができます。APIはすべてのTargetLinkプロパティおよび設定に完全なアクセスを与え、プロセスの完全な自動化を可能にすると同時に、個々のプロセスのフェーズに介入するためのオプションを提供します。たとえば、フック機能はビルドプロセスのすべてのステージでユーザの作業を実行できるようにします。

生成するコードのプロパティを指定するため、Data Dictionaryオブジェクトをモデルのブロックダイアグラムから参照します。この例では変数を参照しています。

TargetLink Data Dictionaryによるソフトウェア設計

ファイルベースのTargetLink Data Dictionaryは、モデル設計、コード生成、およびECUへのインプリメンテーションのための関連情報が格納されたセントラルデータコンテナです。Data Dictionaryオブジェクトは、TargetLinkモデルから参照できます。変数とそのプロパティを定義でき、構造化されたデータタイプを指定して、変数の宣言に使用することができます。スケーリング式を入力して、モデル内の固定小数点の信号およびパラメータを均一にスケーリングすることが可能です。標準化されたデータまたは独自のデータをインポート/エクスポートし、そのデータを適合システムと共有できます。

TargetLink Data Dictionaryでは、データとモデルを分離した状態が維持されます。Data Dictionary ManagerはData Dictionary向けのユーザインターフェースを提供し、利便性の高いデータ管理を可能にします。さまざまなインポート/エクスポートフォーマットがサポートされています。APIによるTargetLink Data Dictionaryへのフルアクセスが可能です。

TargetLink Data Dictionaryは、ワークグループに対しても使用できる、プロジェクト関連のコード仕様の定義と取り扱いに最適なツールです。Cモジュール、関数呼び出し、タスク、変数クラス、データバリアントなどの追加情報へのアクセスを提供します。データは構造化されたツリー形式で表示され、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)からアクセスすることもできます。Data Dictionaryは、共通のインポートおよびエクスポートフォーマットもサポートするため、既存の適合ファイルなどの実証済みの定義をテンプレートとして使用できます。

適合を目的としたASAM MCD-2 MCファイル生成

適合ファイルの生成

コード生成ツールのもう1つの重要な要件は、適合システムとの密接な連携です。ECUコードは、適合/計測が可能な変数を適合システムからアクセスできるようにして、パラメータの微調整に対応する必要があります。TargetLinkは、標準化されたASAM MCD-2 MCファイルフォーマット(旧ASAP2)をData Dictionary経由で作成できるようにし、変数とパラメータのECU適合を可能にしています。すべての主要な適合ツールはこの規格をサポートしています。CコードとASAM MCD-2 MCファイルは同じデータに基づいて作成されるので、常に一貫性を保ちます。これにより、エラーの発生原因も少なくなり、開発工程が合理化されます。TargetLinkには、適合可能かつ計測可能な変数を提供するためあらかじめ設定されたいくつかの変数クラスがあります。さらに、各クラスが適合や計測のための正しい属性を持っていることを条件に、固有のクラスを指定することもできます。

自動化されたドキュメント生成

TargetLinkはコードを生成するだけではありません。モデルとコードとの一貫性を完全に保ちつつ、自らの動作をドキュメント化します。自動生成されたドキュメントにより、関数インターフェース、グローバル変数、すべての計測可能および調整可能な変数、スケーリングパラメータ、コード生成オプション、その他多くについての情報を提供します。

ドキュメントは、クリック1つで容易に生成することができます。

モデル、サブシステム、シミュレーションプロットのスクリーンショットも含めることができます。生成されたCコードへのリンクが提供されます。詳細度を変更するなど、必要に応じてドキュメント作成オプションを指定できます。ドキュメントはHTML、RTF(ワードプロセッサ用)、およびPDFフォーマットで生成できます。

TargetLinkのモデリング専用動作モードでの(ラピッドコントロールプロトタイピングを含む)機能開発とフル機能動作モードでのソフトウェア開発

「モデリング専用」および「フル機能」動作モード

TargetLink 5.0以降では、モデリング専用およびフル機能という2つの動作モードを切り替えることができます。モデリング限定操作モード(ライセンス保護なし)の使用により、機能開発者は量産コードを生成せずにモデルの準備および設計が可能です。その後、このモデルはフル機能動作モードを使用するソフトウェア開発者に渡すことができます。また、フル機能動作モードのユーザはこのモデルの量産コードを生成できます。その結果、異なる開発者グループ同士で同じモデルを扱いながら、異なる動作モードを使って作業を行えます。両方の動作モードを使用することにより、プロトタイピングと量産コード生成の開発フェーズを最適に連携させ、反復的な作業をより簡単に実行し、エラーの可能性を減少させることが可能になります。

モジュール単位での開発とコード生成

TargetLinkでは、専用のメカニズムにより、大規模モデルやソフトウェア統合に容易に対処することができます。

  • インクリメンタルコード生成
  • モデルリファレンス
  • ソフトウェア統合の簡素化
  • TargetLink Data Dictionaryからコードを直接生成
  • TargetLink Data Dictionaryによる差分抽出およびマージ(Diff&Merge)メカニズム

TargetLinkの詳細

TargetLinkツールチェーンの統合

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