自動運転車両では、カメラが記録した周辺の画像を解釈する電子制御ユニット(ECU)が重要な役割を果たします。dSPACEでは、カメラECUのテスト用としてdSPACEカメラボックス、dSPACE SCALEXIOシミュレータ、およびdSPACEソフトウェアで構成されたシステムを提供しています。
シミュレーションプラットフォーム
dSPACEのHIL(Hardware-in-the-Loop)テストシステムであるSCALEXIOは、扱いやすく実績のあるプラットフォームです。SCALEXIOは、テストプロセスにかかる時間を節約しつつ、高い信頼性を維持しながらテストを再現したり、各種のテストオートメーション機能を活用したりできるなど、HILテストのさまざまな長所を持ち合わせています。また、dSPACE Automotive Simulation Models(ASM)を統合すれば、車両、他の交通利用者、および環境をシミュレートすることもできます。dSPACE Sensor Simulation (AURELION) for Cameraを組み合わせると、テストドライブを高精細なモニタ上でビジュアル表示することも可能です。


考えられる使用事例:NCAP衝突試験
dSPACEカメラボックスは、新車アセスメントプログラム(NCAP:New Car Assessment Program)衝突試験に活用することができます。また、dSPACEのテストオートメーションソフトウェアであるAutomationDeskを使用すると、テストシーケンスを作成してそれを自動的に実行することができるため、テストプロセスの効率化につながります。dSPACE SYNECTは、さまざまなテストバージョンの管理に最適です。AutomationDeskとSYNECTを併用すれば、多数のテスト用バリアントをより簡単に作成することができるため、テスト品質の向上につながります。
dSPACE MAGAZINE、2022年5月発行