シュトゥットガルト大学:e-Genius航空機用ハイブリッド推進システム

発表日: 2017年06月13日

図1: 飛行中のe-Genius電動航空機。

シュトゥットガルト大学で開発および制作された電動航空機である「e-Genius」には、新しいプロジェクトの一環として研究されていた高効率ハイブリッドドライブが搭載されています。このドライブを使用することにより、空気抵抗を低減する新しい形状を持った特別に開発した電動航空機に、高速給油機能や長距離巡航機能などを統合することが可能になります。これらの機能は、追加の燃焼エンジンと発電機によって実現しています。研究プロジェクトの目的は、時速170 kmで巡航しても100 kmあたりの燃費が3.0リッターを切るという極めて効率性の高い航空機を開発することでした。

この複雑な推進システムは、モーター、バッテリ、発電機、および燃焼エンジンで構成されており、パイロットに既存のシステム以上の操作的ストレスをかけないことを求められています。そのため、開発チームでは、パイロットがプロペラに対して必要な推進力を指定すると、バッテリーエネルギーを使用するか、それとも燃焼エンジンを始動するかをdSPACE MicroAutoBoxによって自動的に決定するという「ワンレバー」制御を開発しています。バッテリシステムはエネルギー貯蔵システムとしてだけでなく、推進モーターの電力要求と燃焼エンジンによって発生する電力の間の差異に対する緩衝装置としても機能します。これにより、ハイブリッド電動航空機をさまざまな方法で操作することが可能になります。

図2: ハイブリッド電動推進システムのシステムアーキテクチャ

シュトゥットガルト大学では現在、燃料消費を抑え、バッテリー寿命を延長するための最適な動作モードに重点を置いて研究を行っています。開発されたアルゴリズムは、MATLAB®/Simulink®によるシミュレーションを通じて早期の段階でテストし、dSPACE MicroAutoBoxに直接転送することができます。e-Geniusに搭載されたMicroAutoBoxは、実機でのアルゴリズムのテストに使用することもできます。また、MicroAutoBoxで機能テストを行えば、新しい航空機が日常用途に適しているか確認することもできます。たとえば、航空機の着陸時に必要なバッテリの充電状態をパイロットが指定することができる「先読み」機能の実装が期待されています。この機能を使用すると、航空機を特定の充電状態で着陸させることが可能であり、バッテリだけを使った始動や着陸直後の離陸などを行う場合に必要となります。dSPACE MicroAutoBoxは、すべてを自動的に制御することで、目的の充電状態を達成できるようにします。

Ingmar Geiss氏、e-Geniusプロジェクト副マネージャ、シュトゥットガルト大学、ドイツ

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