戦略的パートナーシップを通じて、dSPACEのHILシミュレーションおよび妥当性確認プラットフォームにArgus社の世界レベルのサイバーセキュリティ向けファズテスト機能を実装
パーダーボルン(ドイツ)/テルアビブ(イスラエル)、2023年12月14日: シミュレーションおよび妥当性確認ソリューションで世界をリードする企業であるdSPACEは、車載組込みシステムの開発やコンプライアンス対応の合理化に向けて、自動車サイバーセキュリティの世界的リーダーであるArgus Cyber Security社と技術提携を結ぶことを本日発表しました。
両社は、開発の早期の段階でのサイバーセキュリティのテスト(シフトレフト)を実現するため、この提携に踏み切りました。dSPACEは、Argus社の自動化ツールであるArgus Fuzzingを統合したSCALEXIO HIL(Hardware-in-the-Loop)システムにより、継続的インテグレーション、継続的デリバリー、および継続的テスト(CI/CD/CT)ツールチェーンを最先端のサイバーセキュリティテスト機能で補完した形で自動車メーカーやサプライヤに提供できるようになります。
車載システムの複雑化に伴い、脆弱性は開発の最終段階で発見されることが多くなっています。開発者は、その存在リスクや対応コストを低下させるため、開発の早期の段階でサイバーセキュリティテストを実施することが必要です。また、自動車メーカーやサプライヤもCI/CD/CTパイプラインや関連するワークフローにサイバーセキュリティテストを組み込もうとしています。この「シフトレフト」アプローチを用いると、開発者は頻繁にテストを行って製品の品質を向上できるだけでなく、さまざまな修正作業をよりすばやく費用対効果の高い形で行い、市場投入期間を短縮することができます。この流れに沿って、業界全体がWP.29-UNR 155やISO/SAE 21434などの新しい規制に対応し、ソフトウェアデファインドビークルの実現に注力した結果、サイバーセキュリティテストに対するニーズが高まりました。
dSPACEのリアルタイムテストおよび開発ソリューション担当エグゼクティブバイスプレジデントであるHerbert Schütte博士は、「Argus社との提携により、当社のお客様は機能テストにおいて長年の実績を持つ当社のテストプラットフォーム上でサイバーセキュリティテストを実施できるようになります。自動車サイバーセキュリティに関する課題が増え続ける現在、完成度の高いテストプロセスの重要性はより高まっています。そのため、既にお客様の環境に高度に統合されている当社の完全自動型のHILシステムを用いてサイバーセキュリティテストを実施することは、極めて合理的なステップだと言えます。当社では、Argus社のような強力かつ経験豊富なサイバーセキュリティサービスプロバイダと協力できることを非常に嬉しく思っています」と述べています。
今回の提携により、dSPACEのお客様はネットワーク、センサ、および欠陥のシミュレーションの際にサイバーセキュリティテストも実施することで、限られた人数のテストエンジニアで開発期間の短縮を図ることができます。自動車メーカーやサプライヤは、数十年にわたるサイバーセキュリティ研究を通じてArgus社が蓄積してきた専門技術を活用することで、サイバーセキュリティ機能の評価をより効率的かつスケーラブルに実施することができます。
Argus Cyber Security社の戦略および製品担当副社長であるRan Ish-Shalom氏は、「私たちがサイバーセキュリティテストの新しい業界標準の確立に向けて行ったdSPACEとの提携は、互いの個々の強みとノウハウを利用できるという点で重要でした」とし、「両社の統合されたソリューションにより、自動車サイバーセキュリティテストの実施規模が拡大して費用対効果が高まれば、自動車業界全体での接続化がますます進み、自動車システム向けのサイバーセキュリティの確立が実現するでしょう」と述べています。
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