パーダーボルン、オースティン、2020年3月26日: dSPACEでは、スマート充電テクノロジの開発およびテストを行う自動車メーカーや充電ステーション事業者向けの完全なソリューションとなるDS5366 Smart Charging Solutionを発表しました。国際規格に準拠し相互運用性が保証されたこのソリューションは、総合的なテストオプションと動的なモデルを提供することにより、車載充電器、充電カラム、そして将来的には誘導充電システムの開発者をサポートします。
当社では、既存のテストシステムに容易に統合できること、そしてお客様の要件に応じて柔軟にテスト深度を調整できることを重視してSmart Charging Solutionを開発したため、電気的レベルでもプロトコルレベルでも幅広い操作を行える仕様が実現しました。本ソリューションは、オープンなモデルが含まれたソフトウェア部分とISO 15118に準拠した通信の専用ハードウェアモジュールで構成されており、電力線通信の調整を確実に行えるようになっています。また、すべての通信イベントを包括的にロギングできるため、意図した動作やプロトコル仕様との適合性を手作業または自動でチェックし、エラー診断を実行することが可能です。そのため、ISO15118の規格に準拠しながら適合性テストを確実に行うことができます。
dSPACE Smart Charging Solutionの代表的な適用例は、さまざまな充電規格に準拠した車載充電器、充電ステーション、および通信モジュールのテストや、通信エラーのシミュレーションです。本ソリューションでは、多様な充電ステーションをラボでシミュレートしたり通信エラーをエミュレートしたりして、ECUが問題なく機能することを確認できます。また、多数の車両をシミュレートした環境と開発した充電ステーションとの間で互換性をテストすることも可能です。本ソリューションのもう1つの重点分野は、車載充電器の開発です。本ソリューションを使用すると、車載充電コントローラの開発時に充電通信用のソフトウェアやハードウェアが使用できない場合でも、本ソリューションで車両のECUや通信コントローラを置き換えたプロトタイプ車両に基づいてテストを実行することができます。
モーター、ビークルダイナミクス、エレクトリックコンポーネント、および交通環境をシミュレートするためのdSPACEツールスイートであるASMとSmart Charging Solutionを組み合わせると、リアルタイム高電圧バッテリシミュレーション機能を含むバッテリ駆動型電気自動車向けのターンキーアプリケーションとして使用することができます。また、各種モデルには充電ステーションのエミュレーション機能も含まれているため、車両の消費電力によって充電電圧が変化します。消費電力は車両でテストされる充電制御ユニットによって決定されます。充電コントローラを入手できない場合は、定電流定電圧(CCCV)充電プロセスを使用するコントローラをASMでシミュレートできます。さらに、制御ユニットとの通信に必要なすべての信号を利用可能なデモモデルも用意されているため、CHAdeMO、ISO 15118、およびGB/T 20234.2などの規格に準拠しながら制御アルゴリズムやすべてのデバイス間のインターフェースをテストすることができます。
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