スピードメータやタコメータなどを備えた車載インストルメントクラスタのような光学的ディスプレイ用の電子制御ユニット(ECU)の目的は、ユーザと情報をやり取りすることにあります。電子式または機械式のインターフェース用のECUの場合は、HILシステムの標準的な物理インターフェースを介して簡単にテストすることができますが、インストルメントクラスタの場合は、 ディスプレイに表示される変化を取得するために追加の光学的インターフェースが必要になります。このため、インストルメントクラスタの検証は、多くの場合今でも、開発者の肉眼によって行われています。しかし、人間の目はミスが多く、すぐに疲れてしまうため、十分な精度は保証されません。さらに、このようなテストは、多くの時間と費用がかかり、テストを正確に再現したり、自動化することもできません。このような理由から、dSPACEはHIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレーション技術に、カメラを用いたリアルタイム画像認識機能を統合しました。この組み合わせにより、表示用コンポーネント用の個々のECUを単体でテストするだけでなく、これらのECUを車載エレクトロニクス全体と同時にテストすることが可能になります。光学的ディスプレイの自動追跡テストをリアルタイムで行うことには様々な利点があり、テスト品質の向上とテスト回数の増加につながり、結果的にECU自体の品質が向上します。
光学的ディスプレイ用のECUをテストする際の課題は、リアルタイム画像キャプチャ機能と高速プロセッサを結合することにあります。テストシステムは、ECUに必要な入力信号の計算、個別のインターフェースまたはバスインターフェース経由でのECU制御、およびカメラに対するフィードバックチャンネルの供給を行います。自動テストシーケンスにより、カメラによって取得されたHILシステム上の表示信号が入力信号と比較されます。SCALEXIOには、カメラをシミュレータと接続するためのフィードバックチャンネルなど、ECUを操作するのに必要なI/Oチャンネルとバスチャンネルが装備されています。高性能のプロセッサボードを用いて、環境(車両モデルおよびドライバーモデルを含む)およびECUの入出力がリアルタイムでシミュレートされます。
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