VEOSはPCベースのシミュレーションプラットフォームであり、多くの開発段階で電子制御ユニット(ECU)向けのソフトウェアの妥当性を確認することができます。開発の早期の段階においても、制御モデルからバーチャルECU、バスシステム、および車両モデルのネットワークに至るまで、多種多様なモデルをシミュレートすることができます。
VEOSがLinuxオペレーティングシステムでも使用できるようになりました。
WindowsとLinuxオペレーティングシステムにおいて、コマンドラインからVEOSを操作できるようになりました。そのため、継続的インテグレーションのシナリオなどにおいてCOM自動化が使用できないといった場合でも、ワークフローを容易に自動化することができます。
多くの部門が関係するECUソフトウェアの開発では、個々のコンポーネントのテストを早期の段階で現実に即して行うことがますます重要になっています。BMW社では、同社におけるPCベースのシミュレーションプラットフォームの中心としてdSPACE VEOSを活用しています。
Ford社は、一方では顧客の期待に応えるために開発プロセスを加速し、他方では初めての利用者でもその方法を短期間で容易に習熟できるツールチェーンを必要としていました。dSPACE仮想検証ツールチェーンを使用することで、これらは両方とも実現されました。
顧客の期待の高まりとともに、Euro NCAP要件がさらに厳格になり、先進運転支援システムの開発コストの増加が大きな課題となっています。dSPACEはこれに対するソリューションとして、機能開発、仮想検証およびHIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレーション用の連携されたツールチェーンを提供します。
dSPACE VEOSは、電子制御ユニット(ECU)の開発用にSILテストを促進するためのPCベースのシミュレーションプラットフォームです。
VEOSは標準的なPC上で動作するため、機能開発者、ソフトウェア設計者、およびECUテスト担当者はプロジェクトの初期段階で役立つさまざまなオプションを利用してSILテストを行うことができます。
機能 | 説明 |
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PCベースのシミュレーション |
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ツールチェーンの統合 |
既製のツールチェーンへの統合:
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サポートされている規格とプロトコル |
説明 |
FMI |
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AUTOSAR |
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XIL API |
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XCP |
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dSPACEでは、シミュレーションモデルの交換を容易にするため、Simulinkインプリメンテーションコンテナ(SIC)ファイルを生成するModel Interface Package for Simulink®(MIPS)を提供しています。
無償提供のMIPSを使用すると、モデリング担当者はVEOSやConfigurationDeskのライセンスを使用することなく、Simulink CoderでSICファイルを生成することができます。Simulinkモデルの他、dSPACE Run-Time Targetを使用してコードを生成することにより、VEOSやSCALEXIOなどのさまざまなシミュレーションプラットフォーム上でモデルを実行するために必要なすべてのコードおよび成果物を含むZIPファイルを作成することができます。
SICファイルを使用するモデル統合担当者は、シミュレーションのビルド用に再度コードを生成する必要がないため、他のプロジェクトで利用する際にかかる手間を大幅に削減することができます。
VEOSは、関連する次の自動車規格をサポートしているため、既存のツールチェーンに容易に統合できます。
VEOSをラピッドコントロールプロトタイピングまたはHILツールチェーンに追加してPCベースのシミュレーションを実行する場合は、既存のツールを使い続けることができます。VEOSを使用することで、柔軟性の向上と投資の保護を図りながら、新規のプロジェクトや新たな課題に取り組むことができます。
FMIのサポートにより、さまざまなモデリングツールで作成されたモデルを、FMU(functional mock-up unit)としてエクスポートすることが可能です。FMUはVEOSベースの仮想検証プロジェクトに容易に統合できます。このようなプロジェクトでは、FMUを他のFMU、V-ECU、Simulink ® モデルとともに統合することができます。FMUをインポートし、その他のモデルインターフェースに接続する際のユーザワークフローは、サポートされているすべてのモデルタイプと同じです。シミュレーションで使用する変数やパラメータには、ControlDesk、AutomationDesk、およびXIL APIでアクセスすることができます。
dSPACEが異なるソースからのシミュレーションモデル統合を容易にするオープン規格のFMIをサポート
マルチセンサアプリケーションのサポートVEOSは、Intempora社が開発したコンポーネントベースのソフトウェア開発/実行環境であるRTMapsを使用することにより、低レイテンシの双方向通信を行うことができます。
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