V2X Solution

V2Xアプリケーションの開発およびテスト

V2Xソリューションを使用すると、SimulinkからV2X通信へ容易にアクセスし、V2X固有のデータをControlDeskでグラフィカルに分析できるようになります。固有の通信プロトコルやソフトウェア層を実装する必要がないため、エンジニアは作業負荷が軽減され、V2Xアプリケーションの開発やテストに完全に集中できるようになります。

V2X(Vehicle-to-X)テクノロジは、IEEE 802.11p規格に準拠した無線アドホックネットワークを介して車両間および車両・インフラ間のデータ交換を可能にする技術です。ネットワーク参加者は、現在の位置、速度、および進行方向などの情報や、交通渋滞などのイベントを含むメッセージを送信します。欧州では、CAR 2 CAR Communication Consortium(C2C-CC)がETSI(European Telecommunications Standards Institute)およびCEN(Comité Européen de Normalisation)の両標準化団体と緊密に連携し、共同通信規格を策定しています。米国では、Wireless Access in Vehicular Environments(WAVE)およびSAE(Society of Automotive Engineers)J2735 V2Xメッセージセットの関連規格が適用されます。dSPACEのV2X Solutionにより、Simulink®からV2X通信へ容易にアクセスし、V2Xのデータをグラフィカルに分析できます。エンジニアは、V2X固有のプロトコルやソフトウェア層を実装する手間を省くことができるため、実際のV2Xアプリケーションの開発やテストに完全に集中することができます。

主な利用効果

Simulink向けのdSPACE V2X Blocksetは、V2X Solutionの中心的なコンポーネントであり、IEEE 802.11p規格に準拠した無線LANアドホック通信への容易なアクセスを提供します。このブロックセットは、ラピッドコントロールプロトタイピング(RCP)やMIL(Model-in-the-loop)、SIL(Software-in-the-Loop)、およびHIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレーションに使用できます。開発者はわずかな手順だけで、開発したアプリケーションを該当する通信ブロックに直接接続することができます。実装されたプロトコルおよびソフトウェア層は、V2Xメッセージのエンコード/デコードなどの追加手順を実行し、V2Xハードウェアへの通信を有効にします。受信メッセージは、Local Dynamic Map(LDM)を使用して保存し、フィルタリングすることができます。このブロックセットは、欧州および米国の規格に準拠した車両およびインフラ関連のメッセージをサポートしています。さらに開発者は、既存のメッセージを簡単に調整でき、ASN.1記述ファイルからその他のアプリケーションプロトコルをインポートしてブロックセットを拡張することができます。これにより、Simulinkモデル内からV2X信号へ直接アクセスできるため、ロバスト性テストも簡単なデータ操作だけで行うことができ、ControlDeskのマップ計器では対応する効果を容易に解析できます。これらの機能を使用して作業負荷を軽減することにより、エンジニアはアプリケーションの開発およびテストに完全に集中することができます。

機能 説明
V2X通信
  • Simulinkブロックセットにより、IEEE 802.11p、ETSI Intelligent Transport Systems(ITS)、およびWireless Access in Vehicular Environments(WAVE/IEEE 1609)規格に準拠した形式で、Simulinkモデル内から無線LANベースアドホックネットワークへのアクセスを提供
  • すべてのV2Xメッセージコンテンツおよびアプリケーションに必要な信号をグラフィカルに選択可能
  • 以下で使用されるエンコーダおよびデコーダ:
    • Cooperative Awareness Message(CAM:協調認識メッセージ)
    • Decentralized Environmental Notification Message(DENM:分散型環境通報メッセージ)
    • SAE J2735 message set rev. 2016 with Basic Safety Message (BSM), Signal Phase and Time (SPaT), Map Data (MAP), etc.
  • ASN.1からの調整された新しいアプリケーションプロトコルの統合
  • Local Dynamic Map(LDM)による受信されたV2Xメッセージの保存とフィルタリング
  • シミュレーションプラットフォームと最適なV2Xハードウェアアダプタ間におけるV2Xメッセージの交換
位置およびタイミング
  • 米国海洋電子機器協会(National Marine Electronics Association)により規定されたNMEA 0183規格に基づき、全地球航法衛星システム(GNSS)データをエンコードまたはデコードすることが可能な専用ブロックを提供
ビジュアル表示
  • dSPACE ControlDesk向けのマップベースの計器
  • LDMにより、直近のトラフィック状況およびV2X固有の最新情報を提供
  • ユーザによる設定が可能なコンテンツ
V2Xハードウェアアダプタのサポート
  • Cohda Wireless社製MK5-OBU
  • 要求に応じてハードウェアの追加サポートが可能

V2X通信への容易なアクセス

 

V2Xブロックセットは、V2Xメッセージを処理するための専用ブロックを提供します。Simulinkでは、それぞれのメッセージの内容は信号ベクトルとして提供されます。ユーザはV2X信号用のフィルタを設定できるため、モデリング環境ではアプリケーションに関連するメッセージの内容だけが表示されます。エンコードブロックとデコードブロックは、ETSIおよびSAEによって標準化されているASN.1記述ファイルを通じて自動生成されます。V2X受信メッセージはLDMに格納され、関連するメッセージの内容を個別のV2Xアプリケーションに配信することができます。Simulinkモデルは、Ethernetや、Cohda Wireless社製MK5-OBUなどの最適なV2Xハードウェアアダプタを介して無線チャンネルに接続されます。V2X Solutionにより、開発者は既存のV2Xメッセージを調整し、新しいメッセージタイプでブロックセットを拡張することができます。これには、オプションで使用可能なコンパイラを通じて、該当するASN.1プロトコル記述ファイルをコンパイルする必要があります。事前にコンパイルされたプロトコルは、カスタムエンコードブロックおよびデコードブロックとしてV2Xブロックセットにインポートすることができます。V2X Solutionでは、V2X固有のブロックに加えて、NMEA 0183規格に従ってGNSSデータをエンコード/デコードするための専用ブロックセットを提供しています。

 

ControlDeskでビジュアル表示およびデータ解析を実行

V2X Solutionでは、固有のマップ計器でdSPACE ControlDeskを拡張します。これらの計器は、LDMから配信される新しいデータを使用して継続的に更新されます。このため、マップ計器には、個々の交通参加者の位置、速度、進行方向、分類、およびその他のV2X固有の情報といったV2Xアプリケーション間で共有可能な内容が常に表示されます。マップ計器はカスタマイズでき、V2Xアプリケーションのデータ解析や妥当性チェックを手軽に実施することができます。

  • V2X Solution 製品情報, PDF, 日本語, 1788 KB
関連項目 お問い合わせ

ニュースレターを購読します

メールマガジンの購読希望・変更/配信停止手続き