タスク
共振コンバータは、DC/DCコンバータに広く使用されているトポロジであり、さまざまな動作範囲で極めて高いエネルギー密度と優れた効率性を提供します。これらの卓越した特性により、共振コンバータは電気自動車の車載充電器で頻繁に使用されています。
今日、特に自動車業界のモバイルアプリケーションなどにおいては、コンポーネントのサイズと重量が極めて重要です。これに関して1つ知っておくべき重要なことがあります。それは、共振コンバータのスイッチング周波数が高いほど、インダクタンスおよび変圧器は小さくなるということです。そのため、高い周波数がモバイルアプリケーションに最適であるのは間違いありません。現在、スイッチング周波数は共振コンバータの出力や用途に応じて約100 kHzから数MHzにまで及びます。
シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの ワイドバンドギャップ(WBG)半導体 は、シリコン(Si)ベースの半導体に比べて大幅に高いスイッチング周波数で動作し、損失も同程度に抑えられます。これにより、処理できるスイッチング周波数は約10倍に高まります。この特性から、車載アプリケーションでは、WBG半導体の一般的な領域として約100 kHz以上のスイッチング周波数が使用されています。これらのアプリケーションのスイッチング周波数は通常、 最大500 kHz に及びますが、さらに周波数は高まる流れになっています。
技術的課題
パワーエレクトロニクス回路のHIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレーションは、共振コンバータの制御部のテストに広く使用されている手法です。その目的は、HILシステムでパワーエレクトロニクス全体をシミュレートしながら信号レベルで制御部をテストし、妥当性を確認することです。
ただし、シミュレーション向けのモデルには、アルゴリズムの処理性能を含むさまざまな要因から、シミュレートできるスイッチング周波数に関して固有の制限があります。
そのため、スイッチング周波数を大幅に高めるには、使用するアルゴリズムの パフォーマンスを向上 させる必要があります。しかし、残念ながら、既存のモデルやツールでは必要な処理性能を提供できないことがほとんどです。
dSPACEのソリューション
高いスイッチング周波数での実行に特化して設計されたシミュレーションモデルであれば、そのような問題に対処できます。当社の XSG Power Electronics Systems(PES) ソリューションは、そのような目的に特化したツールです。すぐに使用できる一般的なパワーエレクトロニクス回路のシミュレーションモデルを実装したライブラリを持つ強力なdSPACEソフトウェアは、高度に動的な電気システムの開発とテストに最適な選択肢です。コンポーネントの定格、スイッチ素子のタイプ、およびインターフェース設定に関してカスタマイズが可能なモデルが、ライブラリではあるものの含まれています。
そして何よりも、XSG PESは、最大500 kHzという高いスイッチング周波数でCLLC共振コンバータをシミュレートできます。そのため、高速スイッチング共振コンバータをテストする場合に最適です。
当社のXSG PESソリューションでは、お客様の回路に必要なFPGAモデルを作成することが可能です。このモデルを既存のFPGAフレームワークに統合すれば、dSPACEリアルタイムハードウェア向けの当社の設定および実装ソフトウェアであるConfigurationDeskを用いて、FPGAビルドを設定および生成することができます。最終的には、SCALEXIO HIL(Hardware-in-the-Loop)システムにFPGAビルドをアップロードしてシミュレーションやテストを実行し、結果を追跡することが可能です。