SCALEXIOラックシステムは、拡張I/O機能を搭載しており、非常に高い柔軟性を提供します。すべてのハードウェアはソフトウェアで設定することができるため、プロジェクト要件の変化に合わせてシステムを容易に適合させることが可能です。
SCALEXIOラックとは
SCALEXIOラックシステムは19インチの既製HILシミュレータで最大12HUのものが用意されています。システムには、エンジンやビークルダイナミクスなどの一般的な自動車用途向けにあらかじめ設定されたハードウェアが既に含まれています。
代表的な適用分野
- 自動運転
- ハイブリッドおよび電動パワートレイン向けのモーターシミュレーション
- エンジン、パワートレイン、およびシャシ
- トラック用途
- レーシング用途
主な利用効果
- オンボードのシグナルコンディショニング機能や統合された欠陥シミュレーション機能に対応したボードを搭載できるため、ECUテストに最適
- SCALEXIO I/Oボード、FPGAサブシステム、MultiCompactユニット、HighFlexボードなど、幅広い種類のSCALEXIOボードを使用可能
- ハードウェアをソフトウェアによって設定可能なため、プロジェクト要件の変更に合わせて容易な調整が可能
SCALEXIOラックシステムの使用
SCALEXIOラックシステムは通常、SCALEXIOプロセッサユニット、DS2680 I/O Unit、HighFlex I/Oボード、および電源を搭載しています。これは、幅広い標準的なアプリケーションに適した最小限のシステム構成となっています。
- また、ガルバニック絶縁され、ソフトウェアによって設定可能な極めて柔軟かつスケーラブルなチャンネルを持つSCALEXIO HighFlexボードも備えられています。
- SCALEXIO MultiCompact I/O Unitは多数の入出力チャンネルを提供するため、1チャンネルあたりのコストが低下します。
- インストール作業は、システム設定およびシミュレーション制御用のソフトウェアによって完了することができます。
SCALEXIO HighFlexボードおよびMultiCompactボードの相違点
- SCALEXIO HighFlexボードは、柔軟な入出力チャンネルを備え、シグナルコンディショニングとオンボード欠陥生成ユニットを統合したI/Oボードであり、電気的欠陥のシミュレーションが必要なECU HILテストなどで使用します。
- SCALEXIO MultiCompact Unit(DS2680およびDS2690)は、多数の入出力チャンネルを備え、シグナルコンディショニングとオンボード欠陥生成ユニットを統合したボードであり、パワートレインやビークルダイナミクスのシナリオなどに適しています。
バリアントおよび主要諸元
プログラマブル電源
プログラマブル電源ユニットは、テストする部品に電源を供給し、車両始動時のバッテリ電圧など、実際の電圧をシミュレートすることができます。この電源ユニットは、リアルタイムモデルからリモート制御されます。
次に示すように、各種用途に対応したさまざまな電源が提供されています。
- 0~20 V
- 0~60 V
欠陥シミュレーション
SCALEXIOラックシステムには、欠陥シミュレーションが統合されたI/OボードであるHighFlexボード(DS2601、DS2621、DS2642、およびDS2671)やMultiCompact I/Oユニット(DS2680およびDS2690)が搭載されているため、欠陥シミュレーションを行うことができます。
主要諸元
| パラメータ | 仕様 |
|---|---|
| 全般 |
|
| 他のシステムとの接続 |
|
| 周囲温度 |
|
| 動作湿度 |
|
| サイズ |
|
| 重量 |
|
| 内部電源 1) |
|
| 外部デバイス用電源 1) |
|
1) SCALEXIOプロセッサユニットなしの場合
欠陥シミュレーション
ハードウェアコンポーネント
SCALEXIO欠陥生成ユニット(FIU)は、複数のコンポーネントで構成されています。
- I/Oチャンネルに取り付けられたオンボード欠陥ルーティングユニット(FRU)は、I/Oチャンネルをフェイルレールに切り替えることによって欠陥シミュレーションを実行する準備をします。FRUは、MultiCompactボードおよびHighFlexボード上の各チャンネルごとに使用可能であり、リレーを使用してセントラル欠陥シミュレーションユニットの機能を各チャンネルに提供します。
- これらのチャンネルは、その特性に応じて、大電流フェイルレール(最大80 A)または低キャパシタンス(最大1 A)フェイルレールを用いた欠陥シミュレーションシステムに接続します。最適化された信号品質用の低キャパシタンスフェイルレールは、信号生成チャンネルおよびバスチャンネルをセントラルFIUに接続します。大電流フェイルレールは、信号計測チャンネルをセントラルFIUに接続します。
- セントラルFIUは、DS2642 FIU & Power Switch BoardまたはDS2680 I/O Unitに配置されています。セントラルFIUは、欠陥の切り替えに半導体スイッチを使用します。これは非常に高速な切り替えが可能であり、高精度の時間間隔で接触不良や欠陥生成をシミュレートすることができます。
- フェイルレールセグメントスイッチは、選択したセグメントを欠陥シミュレーション用のフェイルレールに切り替えるために使用します。これにより、多数の入出力を持っていたり、複数のラック間に分散されている大規模なシミュレーションシステムの場合でも、導電容量を最小限に抑え、信号破損を防止することができます。
| 欠陥タイプ | 単一のシグナル上の欠陥 | 複数のシグナル上の欠陥 |
|---|---|---|
| 断線(オープン) | 1チャンネル | すべてのチャンネル 1) |
| グラウンドまたはU BAT への短絡 | 1チャンネル | 最大10チャンネル 1)2) |
| チャンネル間の短絡 | 2チャンネル | 最大10チャンネル 1)2) |
| パルス切り替えでの欠陥 | Yes | No |
1)
「FRUリレーによるアクティベーション」オプションが必要です。電流拡張のないI/Oチャンネルでのみ使用できます。
2)
フェイルレールの電流容量により異なります。
ライセンスコンセプト
SCALEXIO HighFlexボードおよびMultiCompactボードには、欠陥シミュレーション(FS)機能が組み込まれています。欠陥シミュレーションを有効化するには、追加のFSライセンスが必要になります。FSライセンスは、ホストPC上で確認されます。各ライセンスは、1つのSCALEXIOシステムに対して使用することができます。欠陥シミュレーションで使用するI/Oチャンネル数に応じて、ライセンスの規模を拡張することができます。欠陥シミュレーションはConfigurationDeskで設定されるので、ご使用のリアルタイムアプリケーションでFRUを使用するチャンネルにマッピングされているI/Oファンクション数に適したSCALEXIO Failure Simulationライセンスが必要です。FSライセンスが必要になるのは、欠陥シミュレーションを実行する場合だけです。ConfigurationDeskでI/Oチャンネルを設定する場合には必要ありません。
FIUの状態トレース機能
ECUの診断機能は、指定された時間内に各欠陥を検出する必要があります。ECUの診断機能をテストするため、SCALEXIOはFIUの状態トレース機能を提供します。これにより、FIUの状態を計測およびプロットすることが可能となり、FIUの状態の変化から欠陥の検出などの他のイベントまでの時間をモニタすることができます。
複数のシグナル上の欠陥
SCALEXIOは、シミュレーション時における複数の欠陥(断線、グラウンドまたはUBATへの短絡、チャンネル間の短絡などの欠陥クラス)の同時生成をサポートしています。この機能は、電流拡張していないチャンネルに対してConfigurationDeskで有効にすることができます。
概要
| 特長 | SCALEXIO FIU |
|---|---|
| 全般 | SCALEXIO MultiCompact I/OユニットおよびHighFlexボードに統合 |
| FIUを統合したI/Oボード |
|
| シミュレータ1台当たりのカード数 | I/Oボードを使用 |
| カード1枚当たりのチャンネル数 | I/Oボードによって異なる |
| スイッチの種類 |
|
| 中心モジュール |
|
| 最大連続電流 | 最大80 A(I/Oボードによって異なる) |
| 生成可能な欠陥の種類 | SCALEXIO FIU |
|---|---|
| 断線 | 含まれる |
| グラウンドへの短絡 | 最大10チャンネル |
| バッテリ電圧への短絡 | 最大10チャンネル |
| 共通のフェイルレールを経由する別のECUピンへの短絡 | 最大10チャンネル |
| 直列につながれた追加のハードウェア(Rsim、MeasまたはSource)での断線 | 使用不可 |
| 追加のハードウェア(Rsim、MeasまたはSource)を経由する別のECUピンへの短絡 | 使用不可 |
| 直接または追加のハードウェア(Rsim、MeasまたはSource)を経由する5つの基準点(ポテンシャル0~4)への短絡 | 使用不可 |