SCALEXIO Ethernetボードは、SCALEXIOプロセッサユニット、SCALEXIO LabBoxまたはSCALEXIO AutoBox向けに追加のEthernetインターフェースを提供します。BroadR-Reachをネイティブにサポートし、統合Ethernetスイッチが搭載されているこのボードは両方のプラットフォームで利用可能であり、モジュール経由で設定できます。
DS6333-PE/-CS Automotive Ethernet Boardと DS6335-CS Ethernet Boardには、SCALEXIOシステム用の5つの追加Ethernetポートが用意されています。このうちの4つのポートは、使用するモジュールに応じて、車載Ethernetまたは標準Ethernet通信用として設定することができます。5つ目のポートは常に標準Ethernet接続用として使用します。このポートは、2つのスイッチ間のモニタリングやカスケード接続に最適です。これらのボードは、ECUインターフェース処理やシミュレータのカップリングなどの用途にも対応しています。これにより、システムをEthernet SOME/IP(IPを利用したスケーラブルなサービス指向ミドルウェア)ネットワークのシミュレーションノードとして設定することも可能です。コスト効率の高いDS6335-CSは、シミュレータのカップリングやECUインターフェース処理などの用途専用であり、SOME/IPをサポートしていません。
DS6331-PE Ethernet Boardと DS6334-PE Ethernet Boardは、SCALEXIOプロセッサユニット用の4つの追加Ethernetポートを提供します。これらのポートであれば、車載Ethernet接続やEthernetスイッチが不要なアプリケーションにも対応できます。DS6335-CSは、バイパス処理やシミュレータのカップリングなど、SOME/IP通信を必要としないプロジェクトに適したコスト効率の高いボードです。dSPACE Ethernet Configuration Packageを使用してサービス指向通信(SOME/IP)を設定する必要がある場合は、DS6331-PEを選択してください。
dSPACEは、広帯域幅を必要とする使用事例向けに、DS6336-PEおよびDS6336-CS Ethernetボードを提供しています。これらのボードには、個別のコントローラを備えたポートが2個用意されており、各ポートは100 MBit/s、1 GBit/s、2,5 GBit/s、5 GBit/s、および10 GBit/sのデータレートで使用することができます。これらのデータレートを使用すると、メディアコンバータによってマルチギガビットのインターフェースとECUを組み合わせることができます。
100Base-T1は、車載用途向けに開発された100 Mbit/sのEthernetインターフェースであり、1本のシールドなしまたはシールド付きツイストペア線で動作します。100Base-T1はBroadR-Reachをベースとしており、IEEE 802.3bwのワーキンググループにより標準化されています。1000Base-T1規格は、100Base-T1と同様ですが、1本のツイストペアケーブルを介して1 Gbit/sのデータ転送をサポートしています。
SCALEXIO Ethernetボードは、通信タスクに関する幅広い使用事例に対応しています。
ECUインターフェース | シミュレータのカップリング | カスタムプロトコルのサポート | SOME/IPによるECU通信 | Ethernetの解析およびモニタリング | |
---|---|---|---|---|---|
DS6331-PE Ethernet Board | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
DS6333-CS/PE Automotive Ethernet Board | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
DS6334-PE Ethernet Board | Yes | Yes | Yes | No | Yes |
DS6335-CS Ethernet | Yes | Yes | Yes | No | Yes |
DS6336-CS/PE Ethernet | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
使用できるボードとプラットフォームの組み合わせ
DS6331-PE Ethernet Board | DS6333-PE Automotive Ethernet Board | DS6333-CS Automotive Ethernet Board | DS6334-PE Ethernet Board | DS6335-CS Ethernet Board | DS6336-PE Ethernet | DS6336-CS Ethernet | |
車載Ethernetポート
(100/1000 Mbit/s) |
– | 合計5個(設定可能なポート×4、標準イーサネット×1) | 合計5個(設定可能なポート×4、標準イーサネット×1) | – | 合計5個(設定可能なポート×4、標準イーサネット×1) | – | – |
標準Ethernetポート
(10/100/1000 Mbit/s) |
4 | 合計5個(設定可能なポート×4、標準イーサネット×1) | 合計5個(設定可能なポート×4、標準イーサネット×1) | 4 | 合計5個(設定可能なポート×4、標準イーサネット×1) | – | – |
標準Ethernetポート
(100 MBit/s~10 MBit/s) |
– | – | – | – | – | 2 | 2 |
Ethernetスイッチ | – | ✔ | ✔ | – | ✔ | – | – |
コントローラ | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
使用事例 | |||||||
ECUインターフェース処理 | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
シミュレータのカップリング | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
カスタムプロトコル | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
SOME/IPによるECU通信 | ✔ | ✔ | ✔ | – | – | ✔ | ✔ |
Ethernetの解析およびモニタリング | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
プラットフォーム | |||||||
SCALEXIOプロセッサユニット | ✔ | ✔ | – | ✔ | – | ✔ | |
SCALEXIO LabBox | – | – | ✔ | – | ✔ | – | ✔ |
SCALEXIO AutoBox | – | – | ✔ | – | ✔ | – | ✔ |
dSPACEのSCALEXIO Ethernetボードは、一定の機能を定義した固定のEthernetボード、および1つまたは複数のモジュールを追加して拡張できるモジュール型のEthernetボードという2つのグループに分割できます。
モジュール型のEthernetボードでは、多様なモジュールを使用できます。各モジュールでは2つのチャンネルを提供しています。
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