dSPACE SCALEXIOカスタマイズシステムは、極めて汎用性の高いHIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレータであり、ユーザ固有の要件を満たすために幅広い調整オプションと設定オプションが用意されています。小規模なシステムから大規模なシステムまでスケーラブルに対応し、コンポーネントのテストから完全なバーチャルビークルのシミュレーションに至るまで、柔軟に使用することができます。
通常、SCALEXIOカスタマイズシステムは1台または複数の19インチキャビネットに設置されます。高さはユーザの要件に合わせて調整することができます。このシステムは、バーチャルビークルの複雑なシミュレーションなどの、任意のアプリケーションに使用できます。
主な適用分野:
SCALEXIOカスタマイズシステムは、高度にスケーラブルなモジュラー方式のラックコンセプトを採用しており、お客様のあらゆる要件に十分に対応できる高い柔軟性とオープン性を備えています。I/Oハードウェアは、拡張I/O機能を提供しています。これらは大部分がソフトウェアにより設定可能なため、変化するプロジェクト要件にも極めて容易に適合させることができます。本システムは、お客様固有のアプリケーションや要件に合わせて調整されており、十分な動作確認のうえドキュメント化され、品質が保証されています。また、お客様の施設で直接稼働させることができます。このように、引渡しの時点から直ちに実働できる準備が整っています。必要な際にはいつでも調整や拡張が可能です。
LSU(Lambda-Sonde Universal、汎用ラムダプローブ)は、リニアラムダプローブの動作をシミュレートするシグナルコンディショニングモジュールです。このプローブを使用して、自動車の排気システムの空燃比を計測します。エンジンECUは、触媒コンバータが最適なパフォーマンスレートで動作できるように噴射時間を変化させて対応します。
LSUモジュールは、ポンプ電流およびネルンストセル内部抵抗に基づいて、4つの独立したチャンネルでネルンストセル電圧を生成することができます。このモジュールは、リニアプローブまたはジャンププローブとして機能します。最大/最小ネルンストセル電圧などのパラメータを調整できます。
プログラマブル電源ユニットは、テストする部品に電源を供給し、車両始動時のバッテリ電圧など、実際の電圧をシミュレートすることができます。この電源ユニットは、リアルタイムモデル内からリモート制御されます。
次に示すように、各種用途に対応したさまざまな電源が提供されています。
SCALEXIOカスタマイズシステムでは、設定やモデルの実装を行うなど、幅広いdSPACEソフトウェアとともに、すべてのSCALEXIOボードを使用することができます。
カスタマイズされたSCALEXIOシステムを必要な数だけ相互接続することができます。これにより、計算能力と利用可能なI/Oインターフェースを増大させることが可能です。プロジェクト要件が変更された場合でも、容易にテストシステムを調整することができます。SCALEXIOシステム同士の接続は、IOCNETを介して行います。
すべてのシステム設定用およびシミュレーションまたはテストオートメーション制御用のソフトウェアは、ホストPC上で動作します。PCはSCALEXIOシステムとEthernet経由で接続されます。
SCALEXIOラックシステムには、欠陥シミュレーションが統合されたI/OボードであるHighFlexボード(DS2601、DS2621、DS2642、およびDS2671)やMultiCompact I/Oユニット(DS2680およびDS2690)が搭載されているため、欠陥シミュレーションを行うことができます。
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