発表日: 2016年12月08日 |
ローゼンハイム応用科学大学のElectrical Drive Technologyラボでは、研究分野の1つとしてサーボドライブの閉ループおよび開ループ制御を研究しています。ここでは、MATLAB®/Simulink®を使用して完全にモデルベースでアルゴリズムの開発を行っています。ラピッドコントロールプロトタイピングには、複数のdSPACEシステムが使用されています。あるサブプロジェクトでは、永久磁石三相同期モーターの閉ループ制御に取り組んでいます。
以前は、信号レベルが1 Vssのアナログ正弦波出力信号を発信するインクリメンタルエンコーダを内蔵したモーターに既存のdSPACEシステムを組み合わせて使用していました。シリアルインターフェースを備えた位置計測デバイスには、アナログ信号を送信するデバイスと比べて多数の利点があります。EnDat 2.2インターフェースには、極めて短時間でポジション値を判定して送信する機能や、自動コミッショニング、さらには診断および機能安全のための総合的な機能を含め、多数の利点があります。そのため、ラボではEnDat 2.2インターフェースを備えたインクリメンタルエンコーダを既存のテストセットアップに統合し、制御範囲が非常に広いサーボドライブを使用して位置情報に関するアナログおよびデジタル信号の送信状況を直接比較できるようにしています。
dSPACE MicroLabBoxおよびRTI Electric Motor Control BlocksetのEnDatブロックを使用すると、研究者は最大16 MHzのデータレートに基づき極めて短時間でエンコーダのポジション値を読み込むことができます。現在、これらのポジション値は、永久磁石三相同期モーター用電流ベクトル制御のコミッショニングにおける基礎として使用されています。
自由にプログラミング可能なMicroLabBoxのFPGAにはユーザ固有のモーター制御が実装され、極めて高速な制御サンプリングレートが実現されました。これにより、ローゼンハイム応用科学大学はモデルベースの手法を使用して、プロセッサベースの制御部分とFPGA上で実行される部分の両方を迅速に開発できるようになりました。ここでは、RTI Electric Motor Control BlocksetとRTI FPGA Programming Blocksetを併用することができます。
MicroLabBoxにRTI Electric Motor Control BlocksetおよびRTI FPGA Programming Blocksetを組み合わせて使用することにより、同大学の研究者はごく短時間でラボのセットアップに最新のEnDat 2.2インターフェースを追加できたため、実際の環境でアナログおよびデジタルエンコーダ間の最初の比較計測をすばやく実施することができました。
Alexander Kiermayer氏は、ローゼンハイム応用科学大学のElectrical Drive Technologyラボの研究員です。
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