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統合型アプローチ

発表日: 2019年06月13日

Frank Schmidtmeier、Hardware-in-the-Loopテストシステムプロダクトマネージャ、dSPACE GmbH

安全性と効率性の高い輸送手段への移行に向けた車両の電動化や自動運転は、自動車業界で飛躍的に進んでいます。そのため、開発タスクはますます複雑化し、より多くの課題が発生しています。また、新規参入企業の影響を受け、メーカーにおける製品の市場投入期間もさらに短縮されています。

このような変化の大きい環境で企業が成功を収めるには、開発と妥当性確認のプロセスを継続的に最適化し、時間内で確実に開発目標を達成できるようにする必要があります。

つまり、要件の変化に対応できる十分な柔軟性と拡張性を備えつつ、必要な機能やパフォーマンスを提供する信頼性の高い確立された開発システムとテストシステムが必要となります。特に、ラピッドコントロールプロトタイピング(RCP)システムやHIL(Hardware-in-the-Loop)システムなどの重要な開発およびテストシステムは、これまでのシステム開発や妥当性確認プロセスに重要な役割を果たしており、今後も引き続き重要となります。

当社のアプローチ

SCALEXIO addresses all kinds of applications, from small to large, as a laboratory system as well as an in-vehicle system.

dSPACEでは、これらの困難な課題に対応するため、統合型アプローチと呼ばれるソリューションを提供しています。この統合型アプローチは、SCALEXIOシステムをベースとしており、ハードウェアとソフトウェアの両方のコンポーネントを単一の統合システムとして含んでいます。この中核システムにより、クローズドループでリアルタイムに開発およびテストを行うプラットフォームで必要となる最高レベルのパフォーマンスと信頼性が保証され、極めて複雑かつセーフティクリティカルなフェールセーフシステムの開発が可能になります。SCALEXIOは、幅広い機能を提供しており、大小を問わずあらゆる種類のアプリケーションに対応することができます。この中核システムは、処理や入出力に関するさまざまな機能を搭載しているだけでなく、標準ネットワークおよび通信インターフェースを備えた幅広いハードウェアによって補完されており、システムの汎用性がさらに向上しています。

利用効果

dSPACEは、HIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレータのワンストップサプライヤとして、ECUテスト用の完全かつシームレスなツールチェーンを提供しています。このツールチェーンは、車両のすべての領域をサポートしており、コンポーネントのテストからシステム統合テストに至るまで、さまざまな範囲をカバーしています。

すぐに使用可能なシステム

SCALEXIOは、さまざまな入出力機能を提供することで、幅広い用途をサポートしています。

この統合型アプローチの最大の利点は、すぐに使用可能な信頼性の高いシステムを使用できることです。これにより、お客様には最初から開発における競争上の優位性が提供されます。

このシステムでは、幅広い機能を通じてすばやくアプリケーションを作成し、容易に既存のモデル要素を統合することができます。また、dSPACEソフトウェアを使用すると、dSPACEシステムハードウェアとテスト対象の電子制御ユニット(ECU)または物理システムとの接続を容易に設定したり割り当てたりすることが可能です。さらに、プログラミング可能なI/Oボードの挙動を定義すれば、Simulink®などのモデリング環境のビヘイビアモデルに直ちに接続することができます。

このシステムには、基本的な入出力機能(アナログおよびデジタルI/O)に加えて、車輪速シミュレーション、波形生成、オーバーサンプリング機能を備えた信号取得機能などの高度な機能も含まれているため、あらゆる種類の電圧または電流信号を生成および取得できます。必要な作業は、単に入出力機能を選択してハードウェアチャンネルを追加するか、その逆の順序を実行することだけです。自由にプログラミング可能なFPGAを使用すると、カスタムファンクションを実装したり、迅速なフィードバックを必要とするモデル要素を実行したりすることもできます。さらに、幅広い統合バス通信プロトコルを使用すると、あらゆる入出力機能に対応することができます。これらのアプリケーションを容易に設定して実行するには、ビルドプロセスをワンクリックで開始するだけで済みます。その後、アプリケーション、I/O、および通信インタフェースがコンパイルされ、dSPACEシステムへと実装されます。

dSPACE SCALEXIOアーキテクチャは、すばやく使用可能なシステムと前例のない優れたパフォーマンスを効率的かつ容易に提供する総合的なソリューションです。

信頼性

当社は、独自のソリューションを提供するワンストップサプライヤとして、システム全体のテストと最適化という手法を活用しながら、要件の厳しいアプリケーションにおける課題に対応しています。当社の信念は、高いシステムパフォーマンスと信頼性をお客様に提供することです。さまざまなサプライヤのコンポーネントを搭載したシステムを使用しているお客様にとっては、一見すると単純な新しいソフトウェアバージョンへのアップデートや別のハードウェアボードの追加さえも、システムに大きな損害を与える可能性があります。すべてのコンポーネントの互換性がテストされていないシステムでは、確定度の高い重要なシステム挙動を容易に保証することはできません。統合型プラットフォームアプローチを使用すると、サードパーティ製コンポーネントを含めたシステムのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントをそれぞれテストすることにより、常に安定した信頼性の高いパフォーマンスを提供することができます。

可用性と製品寿命

開発プラットフォームを選択するうえでは、信頼性だけでなく、システムの可用性と拡張性も重要な要素となります。そのため、当社では極めてスケーラブルかつ柔軟なRCPおよびHILシステムを提供しています。当社では、長期間の使用を確実に視野に入れたうえで、システムやコンポーネントの設計と開発を行っています。そのため、当社のシステムは長期にわたり使用することができます。

たとえば、センサのインターフェースをアナログからデジタルに変更した場合や、CANではなくCAN FDインターフェースが必要な新しい世代のECUを使用する場合など、大半のケースでは単にソフトウェアベースの再設定を行うだけで済みます。設定ソフトウェアを使用すると、既存のシステムと新しいシステムの切り替えも容易に行うことができるため、開発資産を最大限に活用することができます。また、当社のシステムではハードウェアとソフトウェアの互換性が常に確保されているため、新しいハードウェアコンポーネントが必要になった場合でもシステムに容易に統合できます。
dSPACEでは、確立された製品ライフサイクル管理システムが存在するため、製品が生産中止になる場合は、そのはるか以前から通知が行われます。これにより、システムの移行も容易に行うことができ、計画や投資の安全性が確保されます。

多くのお客様からは、新システムの調達を決定するうえで、dSPACE製品の信頼性の高さと製品寿命の長さが重要な要素であるというお声をいただいております。

グローバルサポート

dSPACEがシステムメーカーとしてシステムレベルのサポートを世界規模で提供していることも、当社のお客様にとって利点となります。問題が発生した場合、お客様は最寄りのdSPACEサポートに連絡するだけで済みます。

システムのどのコンポーネントが問題の原因であるかを心配する必要はありません。お客様は当社に連絡いただくだけで、ワンストップサプライヤとして、システム内のすべてのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントに対するサポートを受けることができます。統合型アプローチであるということは、当社の一括責任が伴うということであり、問題を簡単かつ迅速に解決したり、開発タスクにおける生産性を速やかに向上させることが可能です。

規格がもたらす柔軟性

標準インターフェースを使用すると、テストシステムをテストケース、テストオートメーション、およびプラントモデルから切り離すことができます。これにより、テストやテスト成果物をさまざまなテストパターンで容易に再利用することができます。

シミュレーションソフトウェアおよびモデル

統合型アプローチを使用すると、必要とされる柔軟性を維持しつつ、期待される高いシステムパフォーマンスと優れた信頼性を実現することができます。当社は汎用性の高いモジュール型ハードウェアを提供するだけでなく、当社のシステムでさまざまなアプリケーションを容易に実行できる優れた柔軟性を持った標準インターフェースを実現することにより、システムパフォーマンスや信頼性を低下させない妥協の無い環境を構築しています。

これにより、お客様はSimulinkを直接統合でき、さらにはアプリケーションを作成するための幅広いシミュレーションソフトウェアや各種のモデルを利用することができます。また、それぞれのアプリケーション分野でクラス最高のツールを活用しながら、dSPACEリアルタイムハードウェア上で統合型の高性能シミュレーションを用いてシステム全体のテストを実行することができます。さらには、さまざまなベンダーのモデルやモデル要素を組み合わせて使用する場合にも容易に対処できます。

当社では、dSPACE Automotive Simulation Models(ASM)という独自のシミュレーションモデルも提供しています。これらのSimulinkベースのオープンモデルはシステムに十分に統合されており、リアルタイムで実行できることもテスト済みであるため、最適化に伴う労力も最小限で済みます。

以下は当社のシステムで使用されているモデルおよびツールを抜粋したものです。

  • MathWorks®社のMATLAB®/Simulink/Stateflow®で提供されるお客様独自のモデルまたはサードパーティ製モデル
  • VECTOR社のenDYNAおよびveDYNA
  • MSC社(Mechanical Simulation Corporation)のCarSimおよびTruckSim
  • MathWorks社の物理モデリングライブラリに基づいたモデル(例: SimPowerSystems™、SimDriveline™)
  • Dassault Systèmes社のDymola
  • ESI ITI社のSimulationX®
  • Maplesoft™社のMapleSim™
  • SIEMENS社のAMESim
  • Dassault Systèmes社のSIMPACK
  • Gamma Technologies社のGT-SUITE
  • Ricardo Software社のWAVE-RT
  • C++
  • Linuxベースのモデリングおよび実行ソリューション
  • NPSS
  • その他多数

当社では、Functional Mock-up Interface(FMI)を積極的にサポートしています。FMIは、ツールに依存せずにモデルのやり取りと協調シミュレーションを実現するための確立された規格です。

テストオートメーションに対応したホストインターフェース

特に検証や妥当性確認にHILシステムを使用する場合、テストの自動化と管理は重要な役割を果たします。生産性と投資利益率の向上には、十分に管理および自動化されたテストプロセスが重要です。たとえば、テストプロセスを自動化することで、24時間365日の運用および回帰テストが可能になります。これには、適切なテストオートメーションとテスト管理向けのツールチェーンが必要です。dSPACE AutomationDeskとdSPACE SYNECTを使用すると、優れた統合ツールチェーンを通じてこれらを実現することができます。また、dSPACEシステムはASAM規格のXIL APIインターフェースをサポートしているため、あらゆる既存のプロセスをサポートすることが可能です。このインターフェースを使用すると、上記の規格をサポートするサードパーティ製ツールからもdSPACEシステムにアクセスできるようになります。当社はASAMを積極的に推進するメンバーであり、規格の定義をサポートすることで、標準インターフェースに基づいたオープンなツールチェーンの普及を推進しています。

最後に

優れた信頼性と柔軟性を持つ当社の統合型アプローチを活用すれば、お客様の今後のあらゆる課題に対応することができます。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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