パーダーボルン、2020年11月9日: 電気自動車の駆動システムには、価格を抑制しつつロバスト性と経済性を向上させるため、複雑な制御システムと最新の半導体技術が組み合わせて使用されています。新しいdSPACE MicroAutoBox III ACモーター制御ソリューションでは、開発者の皆様に対し、周波数コンバータやElectric Driveの複雑な制御アルゴリズムを開発するためのソフトウェア環境を提供します。これによりMicroAutoBox IIIプロトタイピングシステムとDS1553インターフェースモジュールを組み合わせて使用すると、実車でのテストドライブを効率的に実施することができます。
ACモーター制御ソリューションでは、I/Oファンクションの総合的なライブラリを提供しており、これらを使用することで、容易に設定可能なユーザインターフェースを通じてインバータ制御の開発に最適なドライバ機能を実現することができます。また、これらの機能はドラッグアンドドロップと数回のクリックだけで適切なコントローラにグラフィカルに関連付けることが可能です。離散信号や各種の位置および角度エンコーダ向けに、これまで以上に多くのI/Oファンクションが用意されています。さらに、プロトコルベースのエンコーダもサポートしているため、幅広い分野でシステムを適用することができます。高度に自動化された工業プラントや農機/建機といった分野では、従来の複雑かつ機械的に結合された駆動方式に変わって、低コストのモーターが使用される事例が増えています。
当社では、MicroAutoBox III向けのACモーター制御(ACMC)ソリューションを開発するにあたり、既存のdSPACEハードウェアやソフトウェアコンポーネントと完全な互換性を維持することを重要な要件としたため、MicroAutoBox IIで使用していた既存のDS1553 ACMCモジュールを、MicroAutoBox IIIでも容易に使用できるようになっています。これにより、ユーザはMicroAutoBox IIIへの移行を極めて容易に行いながら、高い演算処理性能と新しいI/Oモジュール(DS1521 Bus Boardなど)のメリットを享受することができます。
DS1553 ACMCモジュールは、MicroAutoBoxのXilinx製FPGAに接続して使用します。MicroAutoBox III ACモーター制御ソリューションのI/Oファンクションは、FPGA上にプログラミングされた機能に直接アクセスできるよう開発されたdSPACEライブラリをベースとしているため、実装箇所を意識することなくシームレスに使用することが可能です。したがって、お客様は20µsec未満の極めて高速なコントローラのサイクルタイムに対応したFPGAオプションを利用できるようになります。
また、MicroAutoBox III ACモーター制御ソリューションは、駆動制御だけでなく、HV車両およびLV車両の電動システムを構成するステアリングシステムやDC/DCコンバータなど、各種メカトロニクスコンポーネントの開発にも使用することができます。
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