Microsoft Azureで動作するエンドトゥエンドのdSPACEソリューションにより、自動運転車両の開発を加速

パーダーボルン、2020年12月2日： dSPACEは、効率性に優れ、スケーラブルかつセキュアでありながら軽快に実行できるエンドトゥエンドのソリューションを自動車業界の研究開発エンジニアの皆様に提供するため、Microsoft社と業務提携契約を結びました。当社は今後、MicrosoftクラウドコンピューティングプラットフォームであるAzure上で先進運転支援システム（ADAS）や自動運転機能（AD）のデータドリブン開発を行うことのできる総合的なソリューションをお客様に提供いたします。

ADAS/AD機能の開発においては、車両に搭載された認知センサやバスネットワークから取得した大量のデータをシミュレーションするテストシナリオを生成し、ソフトウェア、個々のシステムやサブシステム、統合後のシステム全体に至るまで、さまざまな大きさのシステムの挙動を分析する必要があります。また、取得したデータはAI開発チーム、データ・リプレイチーム、シミュレーションチーム、妥当性確認チームなどのさまざまな作業チームに容易に配布できなければならず、そのためには取得したデータに各種の情報を付加する必要があります。これには、強力かつ柔軟でありながら一元的に管理できるデータストレージシステムと、AIおよび機械学習ベースのツールを同一環境でシームレスに動作させられるスケーラブルな演算インフラが必要です。

dSPACEでは、これらの要件に対応できるようにするため、Microsoft社と業務提携を結びました。dSPACEは自動車業界をリードするサプライヤとして、データ・ロギング、データ・エンリッチメント、高度なシミュレーションモデル、データ管理ソフトウェアなどを含め、ADAS/ADのシミュレーションや妥当性確認に包括的に対応できる実績のある成熟したエンドトゥエンドのソリューションを提供しています。このようなdSPACEの製品群を、グローバルかつオープンで拡張性にも優れたMicrosoftクラウドプラットフォーム上で実行すれば、セキュリティ、プライバシー、およびコンプライアンスといった多くの要件を満たしながら、業界に革新的なソリューションを提供できるようになります。

このアプローチにより実現するエンドトゥエンドの統合型データドリブン開発ソリューションを使用すれば、OEMメーカーやサプライヤの皆様はアルゴリズム開発により注力でき、迅速にプロジェクトの目標を達成して市場投入期間を短縮できるようになります。

dSPACEの自動運転およびソフトウェアソリューション担当バイスプレジデントであるTino Schulzeは、「当社の総合的かつ成熟したシミュレーションポートフォリオと、Microsoft Azureという高度にスケーラブルな演算インフラを組み合わせることにより、お客様は両分野におけるクラス最高のソリューションの利点を最大限に活用できるようになります」と述べています。

また、dSPACEのCEOであるMartin Goetzelerは、「Microsoft社との提携により、当社はクラウドコンピューティングおよびビッグデータ分野に関する専門性をさらに拡大することができます。この協力関係のもと、私たちは自動車業界のお客様のさまざまな課題に取り組み、自動運転車両の早期実現をサポートします」と述べています。

Microsoft社の自動車業界担当ゼネラルマネージャであるSanjay Ravi氏は、「自動運転車両のすべての開発フェーズにわたってエンドトゥエンドのワークフローを確立することは、技術や物流の面で困難な取り組みです。dSPACEのADASおよびADシステムをMicrosoft Azureに統合することにより、dSPACEは演算負荷が高く多様なデータを取り扱う開発プロセスに対応するパワーと柔軟性、拡張性を自動車のエコシステムに提供しています」と述べています。