DARTS 9030-M/MS:レーダーセンサのテスト向けのソリューションにマルチターゲット機能を実装

ソフトウェアアップグレードにより、機能を拡張

パーダーボルン、2020年3月5日: dSPACEでは、車載レーダーセンサのテスト向けの2つのソリューションであるDARTS 9030-MおよびDARTS 9030-MSにマルチターゲット機能を追加しました。これにより、複数の独立したレーダーエコーを1つのデバイスで同時にシミュレートできるようになりました。また、既存のシステムでマルチターゲット機能を使用できるようにするための新しいソフトウェアアップグレードも公開しました。

ソフトウェアベースの機能拡張を適用すると、相互に独立した最大4つのオブジェクトをシミュレートできるようになります。各エコーには、それぞれ固有の距離、速度、およびレーダー断面積(RCS)を割り当てることができます。なお、同時にシミュレーションを行った場合でも、シミュレーション対象の信号品質や精度、再現性に影響は生じません。

お客様は、拡張ソフトウェアライセンス(ターゲット数:2、3、または4)を選択して購入することができます。dSPACEの車載レーダーシステム担当シニアプロダクトマネージャであるAndreas Himmler博士は、「インテリジェントなソフトウェアベースの新しい機能を提供することにより、既存のソリューションの継続的な改善と、将来的に求められる要件への対応を同時に実現することができました」と述べています。

dSPACEは昨年、レーダーの専門企業であるmiro·sys社およびITS社と提携して製品範囲を拡大しました。dSPACE Automotive Radar Test Systems(DARTS)には、レーダーチップ製造メーカーによるセンサのテストから、HIL(Hardware-in-the-Loop)での妥当性確認や自動車メーカーによる完成検査に至るまでのバリューチェーン全体に対応するソリューションが含まれています。また、DARTSソリューションは認証およびアフターセールスにも使用できます。

車載レーダーセンサ向けのモジュール型テストソリューションであるDARTS 9030-M/MSを使用すると、チップの設計やセンサの開発から先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車両の開発に至るまでの多くの領域で、レーダーベースの車載アプリケーションの妥当性確認を行えるようになります。また、道路交通におけるオブジェクトのレーダーエコーをさまざまな距離、速度、およびサイズでシミュレートできるため、現実的なOver-the-Air(無線)テストを容易に実行することも可能になります。

つまり、dSPACE Automotive Radar Test Systems製品ファミリは多くの用途に対応したソリューションであり、ラボ用の小型デスクトップシステムから、クローズドループオペレーションを他のシミュレータやテストオートメーションと組み合わせて使用するテストベンチまで、多様な活用方法があります。また、拡張性に優れたモジュール型の構成のため、ソフトウェアですべての機能を設定することが可能です。

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