東京、2018年6月26日:dSPACEは、Electric Driveのシミュレーション向けの製品ポートフォリオを強化しました。最新のdSPACE HIL(Hardware-in-the-Loop)システムでは、最大800 Vの電圧によりモーターおよびバッテリコンポーネントを極めて動的にエミュレートすることができます。つまり、ハイブリッドドライブやElectric Driveのあらゆる駆動コンポーネントを実際のエネルギーフローに基づいて再現することが可能です。dSPACEでは、これらのPHIL(Power Hardware-in-the-Loop)機能を備え、あらゆる種類の電気自動車用ドライブに対応した、すぐに使用可能な独自のシミュレーション用ソリューションをシングルソースで提供しています。
dSPACEは、コンパクトな設計とモジュール型の構成を特徴とする新しい高電圧負荷ハードウェアを提供しています。この小型ユニットは、電流、相数、およびエミュレートする電源のタイプに応じて柔軟に使用することができます。このユニットでは、モーターなどの負荷、もしくはバッテリやACグリッドといった電源をエミュレートする際に同一のハードウェアを使用するため、システムのコスト効率と保守性が向上します。さらに、システムのエネルギーフローを複雑なグリッドのフィードバックなしで循環させることができるため、主電源の効率性が高まり、負荷が最小化されます。dSPACEのオープンな(Simulink/Xilinx)ライブラリでは、モーターやインクリメンタルエンコーダ向けのFPGAモデルから、バッテリや完全なパワートレインに対応したdSPACE Automotive Simulation Models(ASM)に至るまで、必要なシミュレーションモデルを提供しています。
高電圧負荷ハードウェアでは、高度なダイナミクスと低い自己インダクタンスにより、モーターの可変インダクタンスをエミュレートすることができます。また、モーターと発電機の両方の動作において、モーターのすべての動作点および高周波の回転磁界をエミュレートすることも可能です。従来のダイナモメータによるテストをエミュレータによってフロントローディングすれば、高電圧負荷ハードウェアをHIL(Hardware-in-the-Loop)の妥当性確認プロセスにシームレスに統合することができ、電流の正確なエミュレーションやリップル電流および高調波周波数の表示が可能になるため、最新の制御コンセプトをテストできるようになります。さらに、漏れ電流、ゼロ電流、電流を制限した短絡など、欠陥シミュレーションの多くの重要な側面のエミュレーションも可能です。また、電圧、電流、および温度の監視と制限が統合されているため、接続されている電子制御ユニット(ECU)は常に保護されます。
dSPACEは、低電圧のElectric Driveコンポーネントのエミュレーションにて長年培われた経験と幅広いノウハウを高電圧アプリケーションに活用することができました。当社は、重要なテクノロジの多くについて特許を出願しており、ドライブアプリケーション向けのこれらのテクノロジの最適化を図っています。また、新しい高電圧負荷ハードウェアは、産業用インバータ、DC/DCコンバータ、風力および太陽光エネルギーインバータのテストや交流グリッドのエミュレーションなど、他の分野にも適用することができます。
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