発表日: 2017年02月28日 |
イルメナウ工科大学のTeam Starcraft e.V.は、Formula Student Electricコンペティションに参加しています。このチームは、TSC-03Eレースカーの電気システムの完全な最適化に成功しました。これは、アキュムレータの直流電流をモーター用の交流電流に変換する新しいインバータにより実現しています。インバータの開発には、Motor Control Education Kit(MEDKit)と量産コードジェネレータTargetLinkが使用されています。MEDKitは、ブラシレスモーターの制御機能を開発するためのハードウェアプラットフォームです。dSPACE TargetLinkに直接接続すると、ターゲットプロセッサ(ARM Cortex M3)向けのコードを自動的に生成することができます。このプラットフォームは、MIL(Model-in-the-Loop)、SIL(Software-in-the-Loop)、PIL(Processor-in-the-Loop)シミュレーションモード間のシームレスな移行もサポートしているため、ターゲットハードウェアでコントローラモデルのテストをすばやく簡単に行うことができます。
Team Starcraft e.V.のFabian Zboril-Schwarz氏は、コントローラの実装方法について次のように説明しています。「ARMプロセッサ向けTargetLink Target Simulation Module(TSM)を導入したところ、MEDKitに含まれるモーターモデルを使用してコントローラ全体をテストし、目的に合わせて最適化することができるようになりました。TargetLinkによって生成したコードをハードウェア向けにリソース効率良くコンパイルできるということには非常に感銘を受けました。私たちはモデルに個別のモジュールを追加することで、特定のセンサを実装することもできました。これにより、簡単にラボでテストモーターを操作して、テストドライブを行うことができました」。
詳細図:エレクトリックコンポーネントの車両への統合
次の段階では、レースで必要となるパフォーマンスに併せてセットアップを調整しました。つまり、既存のパワーエレクトロニクスコンポーネントを置き換えました。チームでは、パワーステージとしてInfineon MIPAQ IGBTおよび固有のDCリンクを使用しました。
次の詳細な図は、車両への統合方法を示しています。図の右側では、車両の後部にインバータ、アキュムレータボックス、dSPACE MicroAutoBox IIが搭載されており、取り外し可能なグランドプレートに固定されています。たとえば、モーターなどに使用されるプラグコネクタは、MicroAutoBox IIの上部に搭載されています。配線ボックスは車両の左側にあります。他の車両コンポーネントへのすべての接続はここを起点とします。配線は図示されていません。
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