カメラセンサから取得したデータを活用すれば、重要なプロセス値を把握できるので、ロボットによる鋳造における品質保証が向上します。RTMaps(リアルタイムマルチセンサアプリケーション)は、こうしたデータの処理と分析に強みを発揮します。
青山学院大学理工学部機械創造工学科の知技能ロボティクス研究室では、ロボットによる鋳物の注入プロセスにおいて製品の品質や生産量を向上させるべく、リアルタイムの流量計測とロボット制御を行う研究に取り組んでいます。同研究室は、国際ロボット展(iREX)にてRTMapsを使用した研究成果のエキシビションを行いました。
田崎准教授はデモのセットアップについて、「展示ホールの中で溶融金属を勢いよく流すわけにはいかないため、流量の推定にはワインを利用しました」と述べています。デモでは、2つのカメラからのデータが入力され、RTMapsがその流体の幅や曲率を見極めて、流量を推定するのですが、RTMapsはこれを容易に完遂しました。基本的な画像処理は、RTMapsにあらかじめ設定されている画像処理コンポーネントやOpenCVコンポーネントによって行われます。このデモでは、これまでの研究成果を一切無駄にせずにRTMapsを使用できるようにするため、元のロジックにPythonブリッジを適用するという工夫がなされました。RTMapsでは、コンポーネントを設定するだけで、複数のセンサを融合するセンサフュージョンも容易に実行することができます。田崎准教授は、「デモでは、溶融金属に見立てたワインの流量の推定に続けて、来場者の着席状況に合わせてグラスを速やかに運びワインを丁寧に満たすデモンストレーションもお見せしました。このシステムは、トレーニングを受けていない学生が当研究室で2週間もかからずに作り上げたものです」と述べています。このシステムは、カメラを使用して来場者の位置を検出し、ロボットアームでワイングラスを指定された座標位置に据えてワインを注ぎます。RTMapsがセンサ入力やセンサフュージョンを首尾よく進めたため、研究者達は本来の研究課題に集中することができました。
青山学院大学のご厚意により寄稿
dSPACE MAGAZINE、2024年3月発行
Diagram in RTMaps for processing and analyzing camera data captured while pouring wine. The flow rate is determined in the black areas.