発表日: 2017年02月09日 |
ミュンヘンで行われた第8回dSPACEユーザカンファレンス(2016年11月15、16日)において、CLAAS Selbstfahrende Erntemaschinen GmbHは同社のテストプロセスに関するプレゼンテーションを行い、中央テスト管理ツールとしてのSYNECTの導入に言及しました。
CLAAS社にとって、さまざまな拠点で行われている多数のテストプロジェクトのデータを全社的に活用し、分散型の開発環境をサポートすることが最も重要な要素でした。
そのため、CLAAS社は、テストプロセスのすべてのフェーズに対応できるソリューションとしてデータ管理および連携用ソフトウェアであるSYNECTを2014年に導入し、それ以来活用してきました。CLAAS社では、すべてのドイツの拠点に対応した中央データベースを使用することで、同社の多数の車両タイプ(トラクタ、テレスコピックハンドラー、スクエアベーラーなど)のすべてのテストプロジェクトを活用できるようにしています。要件、テスト、テスト結果、パラメータ、さらにはこれらのデータ項目間の依存関係といった関連するテストデータはすべて、SYNECTによって処理されています。SYNECTによりデータをリンクさせることで、要件からテストケースやテスト結果までの完全なトレーサビリティを実現するという目標を達成することができました。
既存の要件はSYNECTに格納されており、それらはテストケースに直接リンクされているため、CLAAS社で確立された要件ベースのテストプロセスに対応することも可能です。現在、約20,000のテストケースがSYNECTで管理されています。テストの実行に必要なテストケースは、データ管理ツールによりパラメータ化されており、これは完全に自動で処理することができます。
CLAAS社では、さまざまなHIL(Hardware-in-the-Loop)システムやテストオートメーションシステムでテストを実行しています。SYNECTのオープンなアプリケーションプログラミングインターフェース(API)により、CLAAS社では、多様なテストランドスケープをテスト管理環境に容易に接続することができます。また、dSPACE AutomationDesk、Vector vTESTstudio、TraceTronic社のECU-TEST、およびCLAAS社独自のテストツールへのリンクも可能です。SYNECT内から開始されたテストは、dSPACE SCALEXIOやVector VT System、または実際の車両といった利用可能なプラットフォーム上で実行されます。
テスト結果はテスト管理システム内に自動的かつ恒久的に格納され、さまざまな種類の解析を行う際に一元的に使用することができます。CLAAS社では、SYNECTの機能を使用してテスト結果の評価や要件カバレッジの自動解析、さらにはレポート作成を行っています。
最新の技術開発動向をつかんで、イノベーションを加速。
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