ディーゼルエンジンや予混合圧縮着火（HCCI）式のガソリンエンジンからハイブリッドおよび完全電動ドライブトレインに至るまでのパワートレイン領域において常に新しい革新的な製品やテクノロジを開発しテストするお客様や業界パートナーに対し、dSPACEは30年以上にわたってサポートを提供してきました。dSPACEでは、あらゆるパワートレインシステムのプロトタイピング、開発、およびテストに使用できるハードウェアおよびソフトウェアソリューションを提供しています。
主な特長
- 小型システムからモジュール型デスクトップシステムや大型テストベンチに至るまで、各種のパワートレインアプリケーションの開発やテストに使用できる柔軟かつスケーラブルなポートフォリオ
- エンジン（点火、噴射、クランク、カム、ラムダなど）、モーター（PWM、アナログおよびデジタルエンコーダ、電流計測など）、バッテリ（セル電圧エミュレーション、温度センサ、電流センサなど）にすぐに使用できる入出力機能
- サイクルタイムがCPUでマイクロ秒、FPGAではそれより短い範囲となる最も包括的な制御方式でも開発やテストが可能
- テスト実行時の計測と適合、ワークフロー管理、およびテストの自動化が可能な試験ソフトウェアなどを含むモデルベース設計向けソフトウェアを総合的にサポート
- 実コンポーネントを使用した現実的な環境シミュレーション
- 高電圧電子負荷を備えたテストシステム
dSPACEのパワートレイン向けソリューション
dSPACEでは、適用分野やプロジェクト要件を問わず、総合的なツールチェーン、エンジニアリング、サポート、およびトレーニングによりお客様をサポートします。30年以上の経験を有する当社は、お客様に最適なソリューションを用意しています。
モーター
モーターの制御方式の開発やECUのテストにおける主な課題は、マイクロ秒単位の超高速クローズドループサイクルタイムが求められる高速な動特性にあります。dSPACEでは、これらの要件に対応するため、総合的なFPGAベースの各種ソリューションを提供しています。これらは、RCPシステムやHILシステム、そして完全にソフトウェアベースまたはモデルベースのFPGA設定に対応しており、すぐに使えるアナログおよびデジタルエンコーダ入力や複数のPWM出力機能を備えています。当社では、お客様がプロジェクト期間を大幅に短縮し、使いやすいソフトウェア環境で各種プロジェクトの開発やテストを実行できるようサポートします。
内燃エンジン
dSPACEシステムを使用すると、内燃エンジンの新しい制御方式を開発およびプロトタイピングできるだけでなく、単体のエンジンECUまたはネットワーク化された複数のエンジンECUを組み合わせてHILセットアップでテストすることもできます。dSPACEリアルタイムシステムは、クランク、カム、ラムダ、およびノックセンサなどの必要な車載バスやエンジンに固有の入出力インターフェースを備えているため、燃料噴射信号や点火信号の生成やシミュレートが可能です。クランク信号やカム信号は0.1°の分解能で処理されるため、極めて高精度な制御やテストが可能です。また、極めて高速なアナログ入力チャンネルにより、筒内圧ベースの制御開発も行えます。FPGAリソースを使用すれば、サイクル内の応答による超高速の制御ループを実装することで、CAI方式やHCCI方式の制御設計を実現することができます。
トランスミッション
dSPACEシステムは、トランスミッションECUの制御方式の開発とテストに最適なソリューションです。dSPACEのプロトタイピングシステムにシグナルコンディショニングユニットやパワーユニットを搭載すれば、バルブや各種のアクチュエータを正確に制御することができます。オートメーテッドマニュアルトランスミッション（AMT）などに対応したHILセットアップに実際のモーターを組み込めば、実際の部品としてのモーターとシミュレーションモデルによる仮想コンポーネントを切り替えながらテストを行えます。dSPACE HILシステムは、DCモーターの突入電流をシミュレートする際に必要な最大60 Aの大電流を供給することが可能です。また、オートマチックトランスミッション（AT）、デュアルクラッチトランスミッション（DCT）、無段変速トランスミッション（CVT）などのトランスミッションもシミュレートできます。
ハイブリッドドライブトレイン
dSPACEでは、ハイブリッドドライブトレインのコンポーネントをテストし改善するための高性能かつ極めて拡張性に優れたシステムを提供しています。たとえば、テストセットアップには、ユーザによるプログラミングが可能なdSPACEのFPGAボードを統合できるため、モーターエミュレーションを最も現実に即した形で実現できます。dSPACE XSG Electric Component Libraryに含まれる永久磁石同期モーター（PMSM）のモデルは、FPGAボードにより処理されます。このようなモデルベースのアプローチにより、実行中にハードウェアを一切変更することなく簡単なマウス操作だけでモーターパラメータやモータータイプも変更できます。テストシステムには通信プロトコルや位置センサシミュレーションインターフェースも搭載されているため、すべての制御ループを閉じることも可能です。
すべての開発段階をサポート
自動運転の分野において、これまで以上にセーフティクリティカルな機能を備えた複雑なE/Eシステムやソフトウェアを開発する場合の課題は、機能の信頼性をどのようにして保証するかということです。そのためdSPACEでは、機能安全、テストストラテジの開発、および複雑なE/Eプロセスの検証と妥当性確認のためのエンドトゥエンドのソリューションを提供し、プロジェクトの初期段階から認証までをサポートしています。
dSPACEシステムは容易に稼働させることができます。しかし、プロジェクトが複雑な場合、個別のソリューションを必要とする場合、または十分な時間がない場合には、dSPACEの迅速で信頼性の高い優れたエンジニアリングサービスを利用することもできます。
