ステアリングホイールは、車両で最も重要な制御要素の1つです。現在最も一般的なステアリングコンセプトは、フロントアクスル電動パワーステアリング(EPS)です。EPSでは、ステアリングの際にドライバーをサポートするためのモーターが必要です。また、リアアクスルステアリングや完全なステアバイワイヤアプリケーションなど、革新的なコンセプトの開発もますます進んでいます。ステアバイワイヤシステムに機械式ステアリングコラムはもう不要です。すべてのシステムコンポーネントを電気的な手段で接続できます。当社では、お客様の個々の要件に対応するため、ステアリングシステムや関連コンポーネントを開発およびテストするためのスケーラブルなソリューションを提供しています。当社のスケーラブルなプロトタイピングソリューションや幅広い高パフォーマンステストシステムのメリットを是非ご活用ください。
EPSには、ステアリングコラム(コラムEPS)またはステアリングラック(ラックEPS)に補助モーターを取り付けることが可能です。

課題
今日のステアリングシステムには、機械、電気、および電子コンポーネント間の連携を管理し、安全な動作を保証するための電子制御ユニット(ECU)が必要です。
開発の早期の段階においては、SIL(Software-in-the-Loop)テストを用いることで、車線維持や自動駐車などの新機能やモーター自体の制御アルゴリズムをテストすることができます。初期のアイデアを具現化するには、モーターや車両通信の制御用インターフェースを備えたプロトタイピングプラットフォームが必要です。信号レベルでHILテストを行うと、実際のパワーコンポーネント無しでも、考え得るすべての状況でECUをテストできます。実際のパワーエレクトロニクスのテストには、実電流や実電圧を供給して実際のモーターをエミュレートするパワーHILシステムが必要です。モーターやステアリング機構全体を含む実際の部品をすべてテストセットアップに追加すれば、完全なテストカバレッジを達成することができます。機械的な負荷トルクや荷重を掛けるには、動的なメカトロニクステストベンチを使用します。
当社のステアリングシステム向けソリューション
dSPACEでは、SILテストおよびラピッドプロトタイピングから信号レベルおよびパワーレベルでのテストに至るまで、ステアリングECUやステアリングシステムの開発プロセス全体を通じて使用できる各種のシステムポートフォリオを提供しています。当社には、小型のデスクトップ型リアルタイムシステムや低電圧パワーHILシステムからコンパクトなロータリーテストベンチ、極めて高いダイナミクスと精度を必要とする用途向けのリニアアクチュエータを使用した大規模な高性能ステアリングテストベンチまで、幅広いテストシステムがあります。
シミュレーションモデリング
ラピッドプロトタイピング
量産ソフトウェア開発
SILテスト

SIL(Software-in-the-Loop)テスト向け、PCおよびクラウドベースのシミュレーション用の強力なdSPACEソリューション
SIL(Software-in-the-Loop)テスト用のdSPACEソリューションでは、テストや妥当性確認を仮想環境で行うことにより、ソフトウェア開発プロセスを大幅に迅速化することができます。dSPACEは、モジュール型で拡張性に優れ完成された開発およびテストソリューションを提供しています。これを使用すれば、PC上でテスト対象デバイスを容易にシミュレートし、物理ベースのモデルに接続し、クラウドでスケーラブルなテストを実行できると共に、HIL(Hardware-in-the-Loop)システムでテストスクリプトを容易に再利用することができます。
HILテスト
パワーHILテスト
メカトロニクステストベンチ
バスおよびネットワーク通信

すべての開発段階をサポート
自動運転の分野において、これまで以上にセーフティクリティカルな機能を備えた複雑なE/Eシステムやソフトウェアを開発する場合の課題は、機能の信頼性をどのようにして保証するかということです。そのためdSPACEでは、機能安全、テストストラテジの開発、および複雑なE/Eプロセスの検証と妥当性確認のためのエンドトゥエンドのソリューションを提供し、プロジェクトの初期段階から認証までをサポートしています。
dSPACEシステムは容易に稼働させることができます。しかし、プロジェクトが複雑な場合、個別のソリューションを必要とする場合、または十分な時間がない場合には、dSPACEの迅速で信頼性の高い優れたエンジニアリングサービスを利用することもできます。