AIデータパイプライン
当社では、お客様がAIベースのソリューションを最大限に利用できるようにするためのツールやノウハウを提供しています。優れたモデルを実現するには、優れたトレーニングデータが必要です。dSPACEでは、パートナーとの協力により、お客様のデータパイプラインに必要なあらゆるツールとサービスをご用意しております。AUTERAやRTMapsを使用すれば、新しいデータを収集し、UAI Annotatorによってデータにアノテーションを追加し、IVS(Intempora Validation Suite)でデータを管理することができます。また、これらのプロセスは、計測値からシナリオを生成するなどして任意の交通状況を作成できるツールと連携させたり、センサリアリスティックシミュレーション向けのdSPACEのソリューション を用いて最終的にこれらのシナリオから追加のトレーニングデータを生成できるツールと統合したりすることが可能です。

現実世界のセンサデータはどれほど必要ですか。
dSPACEでは、合成センサデータを用いてニューラルネットワークのトレーニングを行い、車載アプリケーションに適用する手法に関する研究を実施しました。この研究の目的は、合成データと実際のデータを混在させたデータセットを使用した際に、実際のデータをどの程度削減できるのかを定量化することでした。単純なべき乗則を使用してトレーニング例の数と認識性能の関係性をモデリングすると、現実世界のデータの必要量を、認識性能に影響を与えることなく、最大70%削減できることが判明しました。特に、物体認識ネットワークのトレーニングでは、混在するデータセットを実際のデータセットよりも少ないクラスでエンリッチ化することにより改善できました。これらの結果は、現実世界のデータを5%~20%の割合で混在させたデータセットを用いると、認識性能を低下させることなく、現実世界のデータの必要量を最も軽減させる、ということを示しています。