パーダーボルン/カールスルーエ、2019 07月16日: ネットワーク化された電動自動運転車両の開発ソリューション分野において業界をリードするdSPACEは、スタートアップ企業であるunderstand.ai社を子会社化しました。understand.ai社は、dSPACEグループ企業の傘下として「人工知能(AI)アプリケーション」や「クラウドベースのツール」といった中核事業に投資し、既存の製品をdSPACE製品ポートフォリオの不可欠な要素としてさらに発展させると共に、dSPACEの世界的販売ネットワークを利用して製品およびサービスを市場に展開します。
「understand.ai社はAI技術をリードするテクノロジ企業で、自動運転におけるデータ解析、データアノテーション、およびシミュレーションシナリオ抽出の自動化を中心に活動しています。当社は自動運転のための独自の統合開発およびテストソリューションを提供するため、これらの重要なテクノロジによりdSPACEのポートフォリオを戦略的に強化していきます」とdSPACEのCEOであるMartin Goetzelerは述べています。
understand.ai社の共同設立者でCEOであるMarc Mengler氏は、「当社が次の開発段階に踏み出し、成長を実現するうえで、dSPACEは最適なパートナーです。テストは自動運転の開発におけるボトルネックであり、dSPACEは自動車業界有数の開発パートナーとして、その専門技術とネットワークにより当社に強力な勢いを与えることでしょう」と説明します。
understand.ai社CEOおよび共同設立者 Marc Mengler氏とCTOおよび共同設立者Philip Kessler氏
また、understand.ai社の共同設立者でCTOであるPhilip Kessler氏は、「Marc Menglerと私は、dSPACEと協力できるのを心待ちにしています。これにより、トレーニングデータや検証データを提供するためのソリューションにおいて現地のお客様サービスの向上、当社の国際的成長の加速、グローバルリーダーとしての地位のさらなる拡大が可能になります」と述べています。
自動運転車両を開発し市場に投入するうえでは、車両周辺の環境を誤作動なく現実に即して検出することが極めて重要です。つまり、他の道路利用者、道路標識、車線、道路沿いの静止構造物、およびオープンスペースを確実に特定する必要があります。
これらを実現するため、こうした自動運転車両には自己学習(機械学習)アルゴリズム、特に人工知能に基づいたディープニューラルネットワーク(DNN)技術が応用されています。これらのアルゴリズムには、効率的なトレーニングと妥当性確認が必要です。そのため、膨大な数の(カメラ、LiDAR、およびレーダーから)記録されたセンサデータを分析してアノテーションを付けたうえで、個人を特定可能な情報を削除または変更することが必須となります。
最終的なDNNの品質は、このトレーニングおよび検証データの量、質、多様性によって決定されます。アノテーションは、オブジェクトを分類するために必要であり、機械学習を行う際の基準となります。このプロセスはラベリングとも呼ばれます。現在、このプロセスは手作業で行われているため、通常は多くの時間が必要となるにもかかわらず、最高レベルの品質が常に保証されるとも限りません。
understand.ai社は、このプロセスを可能な限り自動化できる独自の専門知識を有しています。また、自己学習アルゴリズムを活用することで、トレーニングデータや検証データの高品質な処理も実現しています。基盤となる重要なテクノロジも人工知能ベースで開発されているため、効率性に優れたデータ解析と高精度のデータアノテーションを確実に行うことができます。これにより、AIベースの運転アルゴリズム向けの高品質なトレーニングデータが保証されます。understand.ai社では、この分野のアプリケーション向けのAIをベースとしたウェブベースのツールも開発しています。基本的なノウハウは、センサデータからのシミュレーションシナリオ抽出にも活用されています。
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