この使用事例では、電気自動車コミュニケーションコントローラ(EVCC)をシミュレートすることにより、さまざまな電気自動車のシミュレーション環境に接続した場合の充電ステーションの動作をテストします。
充電ステーションテクノロジの妥当性確認では、テストプロセスにさまざまな電気自動車のシミュレーション環境を含めることが極めて重要です。そのためには、世界中の電気自動車の充電方式に関連するすべてのパラメータを考慮した総合的なテストソリューションが必要になります。
多くのメーカーが、電気自動車(EV)や充電ステーションを製造しています。ただし、充電インフラストラクチャは地域により大きく異なります。この多様性に対処するため、CHAdeMO、ISO 15118、およびGB/Tなどの複数の規格では、EVと充電ステーション間の通信が規定されています。そのため、世界中の充電ステーションをテストする際には、これらをすべて考慮する必要が生じます。
充電ステーションのメーカーは、その実装を検証するために、多くの実際の電気自動車をテストに含めたいと考えますが、この方法ではテスト作業が膨大になるだけでなく、たとえ同じメーカーの電気自動車であっても車両ごとにパラメータに若干変化が生じるため、完全な相互運用性を保証することができません。dSPACEでは、妥当性確認を行うメーカーをサポートするため、それぞれの要件に沿ってEVをシミュレートすることが可能なSmart Charging Solutionを提供しています。
充電テクノロジのテストでは、dSPACEのDS5366 Smart Charging InterfaceをCAN FDを介してHILシミュレータに接続します。また、SCALEXIOシステムがSCALEXIO LabBox、DS6001 Processor Board、DS6101 Multi-I/O Board、DS6341 CAN Board、バッテリエミューレーションシステム、安全コンポーネント、パワーエレクトロニクスなど、一般的に電気自動車に設置されているものを搭載するようカスタマイズされています。DS5366 Smart Charging InterfaceではISO/IEC 15118-1/-2/-3、DIN SPEC 70121、SAE J1772、およびIEC 61851-1 1) に準拠してEVのコミュニケーションコントローラをシミュレートし、SCALEXIO LabBoxではCHAdeMOおよびGB/Tに準拠したコミュニケーションコントローラをシミュレートします。また、dSPACEのSmart Charging Solutionに含まれているSimulink®モデルを使用すると、タイミングやメッセージ操作を含むさまざまな電気自動車用コミュニケーションコントローラの動作をシミュレートすることができます。充電ステーションおよび電気自動車のシミュレーション環境間の実際の通信は、制御パイロット(CP)を介して実行します。
電気自動車と充電ステーションの相互運用性を保証するには、充電規格ごとに相当な数のテストを実装し実行する必要があります。このような作業に対応するため、Smart Charging ISO 15118-4 Conformance Test Suiteは標準化された適合性テストを提供します。これらのテストをdSPACEソリューションを用いて実施する方法をご確認ください。
dSPACEは、この使用事例に特化したソフトウェアおよびハードウェアパッケージを割引価格で提供しています。
詳細については、当社のAdvanced Control Education(ACE)Kitsをご確認ください。
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